Xジェンダーとは・意味
Xジェンダーとは?
Xジェンダーは、性自認(自分の性別をどう認識しているか)が、男性にも女性にもはっきりと当てはまらない人のことを指す。2021年、アメリカでパスポートなどの身分証明書の性別欄が「男性・女性・X(どちらでもない)」から選べるようになったことから、日本でこの言葉が広がりつつある。
Xジェンダーには中性、両性、無性、不定性という4種類がある。
- 中性:男性と女性という2つの性の中間地点にあると自認している
- 両性:女性でもあり、男性でもあると自認している
- 無性:女性でも、男性でもないと自認している。どちらもしっくりこない
- 不定性:その時々によって性自認が変わるなど、流動的。さまざまな性の間で揺れ動いている
ノンバイナリーやクエスチョニング、トランスジェンダー、クィアとの違いは?
Xジェンダーと関連した言葉として、トランスジェンダーやクエスチョニング、ノンバイナリーなどの言葉が挙げられる。それぞれの特徴と違いを見ていこう。
■ 性的マイノリティを包括する言葉
- クィア:すべての性的マイノリティのこと。クエスチョニングと同じくLGBTQの「Q」にあたる
■ 性的マイノリティに関して、違いを持つ言葉
- トランスジェンダー:性自認と体の性が一致していない状態
- クエスチョニング:性自認・性的指向の2つが定まっていない、あえて決めていない(Xジェンダーの不定性と似ている)
- ジェンダーフルイド:性が流動的。状況や時間によって、性が変わる。
- ノンバイナリー:自身の性自認と性表現を「男性・女性」という二つの枠組みに当てはめない
トランスジェンダーが、体の性とは違うどちらかの性を強く認識している人が多いことに対して、Xジェンダーは自分の性別を定義していないという違いがある。
また、クィアはヘテロセクシュアル(異性愛者)、シスジェンダー(生まれたときの性と自身の性自認が一致している)以外のすべての性的マイノリティを指す言葉だ。その点では、クエスチョニングやXジェンダー、ノンバイナリーすべて「クィア」という一語の中に含まれていると言える。
見た目では「Xジェンダーかどうか」はわからない
人のSOGI(性自認・性的指向)は、相手が自分に対してカミングアウトするまではわからない。服装や髪形など、特徴的でわかりやすいラベルがついているわけでもない。そしてXジェンダーは「自認する」ものなので、本物も偽物もいない。
最近では個人の発信力が高まり、自身の性自認や性的指向に対するカミングアウトをする芸能人も出てきている。さまざまな情報が流れるなかで、注目されつつあるXジェンダーという考えは、知っておいて損はない。
【参照サイト】The U.S. issues the first passport with a nonbinary gender ‘X’ option