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SOGI(ソジ)とは・意味

SOGI(ソジ)とは?

SOGIとは、Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字のことで、性的指向(好きになる性)/性自認(自分の心の性)のことをいう。

この言葉は「国や雇用者は、相手の属性(SOGI)にかかわらず、平等に扱わねばならない」という文脈で使われることが多い。2006年のジョグジャカルタ宣言以降、国連機関で広く用いられており、性的マイノリティだけではなくすべての人に関わる言葉だ。

LGBTとの違いは?

SOGIはよくLGBTと混同され、性的マイノリティの人を指すものかと思われがちだが、SOGIは「どんな性別を好きになるのか」「自分自身をどういう性だと認識しているのか」という言葉なので、体と心の性が一致しており異性が好き、という人も含めてすべての人が持っているものである。

「LGBT」という言い方には、性的指向のマイノリティに関わる言葉(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)と、性自認のマイノリティに関わる言葉(トランスジェンダー)が混在している。そこで、「性的指向と性自認」を包括して表す概念として、SOGIができたのだ。

LGBTは、性的指向と性自認に関する言葉が両方入っていてわかりづらかった

  • Lesbian:レズビアン。女性で、女性を好きになる。性的指向に関わる言葉。
  • Gay:ゲイ。男性で、男性を好きになる。性的指向に関わる言葉。
  • Bisexual:バイセクシャル。男女ともに好きになる。性的指向に関わる言葉。
  • Transgender:トランスジェンダー。心と体の性が違う状態。性自認に関わる言葉。

SOGIは、LGBTを包括した言葉

  • SO:Sexual Orientation(性的志向)。どの性別を好きになるか。
  • GI:Gender Identity(性自認)。自分がどの性別だと認識しているか。

なお、LGBTは現在、クエスチョニング(Questioning)やクィア(Queer)を含んだ「LGBTQ」になったり、インターセックス(Intersex)やアセクシャル(Asexual)を含んだ「LGBTQIA」になったり、LGBTQ+やLGBTQs(LGBTQでは括れないセクシュアリティも包括する)といった言い方をしたりと、人によって変わってきている。

SOGIについても、Gender Expression(性表現)のEを含めたSOGIEという言い方も出てきた。

LGBTQIAの当事者が自らを定義したジェンダー用語集もあるので、こちらを参照するとジェンダーの多様性について理解する一助となるだろう。

SOGIハラとは?

SOGIに関して差別や嫌がらせを受けることを、SOGIハラ(SOGI+ハラスメント)という。具体的には、性的指向/性自認についての差別的な呼称や嘲笑、いじめ・無視・暴力、望まない性別での生活を強要、学校や職場での不当な扱い、誰かのSOGIについて許可なく公表する(アウティング)などの事例がある。

多くの当事者がカミングアウトしていないため、周囲にいる人はまさか隣に当事者がいるとは思わず、他人のことを茶化したつもりでも、実はそばにいる当事者のことを傷つけていることがある。また、「女性あるいは男性はこうあるべき」という社会の規範意識や、学校や職場での性別を理由とした服装などの区別によって、言葉に発せずとも、当事者を悩ませているケースも多々あることに留意しなければならない。

世界・国連での動き

国連の補助機関のひとつである国連人権理事会は2016年6月、「性的指向と性自認を理由とする暴力と差別からの保護」に関する決議を賛成多数で可決した。それに伴い、この問題を扱う独立専門家を任命した。

同決議の背景には、世界151カ国の628にのぼる市民団体が、国連人権理事会に決議採択と独立専門家設置を求めて展開した過去最高規模での共同キャンペーンの動きがあった。

独立専門家は、性的指向と性自認を理由とする暴力と差別への認識を促したり、対処に向けたアドバイスを提供する役割を担う。

日本の動き

2019年12月23日、厚生労働省の労働政策審議会にてパワーハラスメント防止対策を義務付ける指針が確定した。これにより2020年以降、SOGIハラ、アウティングを含めたパワーハラスメントの防止対策が各企業、自治体、各種団体で義務化される。「措置義務」であり、もし対策を怠った場合、都道府県労働局による助言・指導・勧告等が行われる。

具体的な「措置義務」として、大きく以下の4つの実施を義務付けている。

  1. パワハラの「禁止」と、起きてしまった際の「懲戒」規定を就業規制に明記。研修等で周知する。
  2. 相談窓口を設置、担当者が適切に対応できるようになる。
  3. パワハラが起きてしまった際の対策を検討。被害者への配慮と、加害者への措置、再発防止策を講じる。
  4. 相談者や行為者のプライバシー保護措置を講ずる。相談したことによる解雇等、不利益な取り扱いをされないことを明記する。

今回の指針は、SOGIに関する国の取り組みとして、初めて法を背景とした取り組みの義務付けを求めるものであり、今後、法整備等を求めていく中で大きな一歩であるといえよう。

また、厚生労働省が定めるモデル就業規則【第15条 その他あらゆるハラスメントの禁止】にも、SOGIに関する規定が盛り込まれている。

恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向のことを「性的指向」、自己の
性別についての認識のことを「性自認」といいます。性的指向や性自認への理解を深め、
差別的言動や嫌がらせ(ハラスメント)が起こらないようにすることが重要です。

その他、国家公務員の人事や処遇などを取り扱う人事院が定める人事院規則や文部科学省が作成する資料にも、SOGIについて言及されているなど、SOGIの周知を今後も引き続き行っていくことが必要だ。

【参照サイト】国連:性的指向と性自認に関する歴史的な一歩
【関連記事】LGBTQIAの人が自ら定義した、ジェンダー用語集「Gender Nation Glossary」
【関連ページ】アウティングとは・意味




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