ヒューマニウムとは・意味
ヒューマニウムとは?
ヒューマニウム(Humanium)は、違法銃器を溶かしてつくられた人工の金属のことだ。スウェーデンの非営利団体IM Swedish Development Partner(以下、IM)が指揮をとる国際的なイニシアチブ「Humanium Metal」により、世界中の違法銃器を回収し、溶かし、不純物を取り除いて型に流し込む、という取り組みが行われている。そうして最後にインゴット型に成形されたのがヒューマニウムである。
日本で一般市民が本物の銃を見る機会はあまりないが、世界では数百の“違法”な銃が出回っており、人の命が奪われる銃撃事件が絶えない。違法銃を没収したとしても、処分にコストがかかり、管理も難しい。そこで銃を金属の塊に変え、平和のための活動に使おうというイニシアチブが生まれたのだ。
このヒューマニウムを人々の生活に役立てるため、スウェーデンの音響機器メーカーのYEVO Labsや時計メーカーTRIWAをはじめ、自転車や雑貨ブランドなど、さまざまな企業、そしてスウェーデンの有名デザイナーたちとのコラボレーションが行われ、新たな製品が次々と生まれている。
2017年6月に開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで、金属であるヒューマニウムは「ライオンズイノベーション」も受賞している。広告のクリエイティビティを競う賞において、異例の受賞だ。
「Humanium Metal」について
このイニシアチブの中心となっているIMは、1938年に設立されてから、武器による暴力行為の蔓延する国々で平和構築のための地道な活動を行ってきた。そして2016年、中米エルサルバドルで地元当局と連携しながら、銃排除プログラムで回収された違法銃器から1トンもののヒューマニウムを作り出した。これがイニシアチブのはじまりだ。
Humanium Metalは、「違法な銃器がいかに平和な社会の妨げとなっているか」を人々に知ってもらうための活動であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標16「平和で包摂的な社会の促進」を達成するためのプログラムだ。
今後、Human Metalはグアテマラでヒューマニウムづくり実施を予定しているという。マフィアの抗争が行われる中南米で武力となる違法銃器を集め、イヤホンや腕時計など新たな価値を生み出すこの取り組み。ヒューマニウムの可能性は計り知れない。
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