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ノンバイナリーとは・意味

ノンバイナリー

ノンバイナリーとは?

ノンバイナリージェンダー(nonbinary gender)とは、自分の性自認(=出生時に割り当てられた性別ではなく、自分で認識している自分の性)が男性・女性という性別のどちらにもはっきりと当てはまらない、または当てはめたくないと感じる性自認を指す。「第三の性」「クィア」とも呼ばれる。

2021年6月に、歌手の宇多田ヒカルがインスタグラムのライブ配信で自身がノンバイナリーだと明かしたことが、この言葉が注目されるきっかけの一つとなった。

たとえば、「女と呼ばれるけど自分は男と女どちらの時もある」「昔は自分は男性だと自分を納得させようとしていたけど、実はそうじゃないかもしれない」など、性自認がバイナリー(男か女かの二者択一)ではないと感じる人々は、ノンバイナリーとされる。なお、恋愛対象は当事者によってさまざまである。性自認と、性的/恋愛的指向(=好きになる対象や気持ちのあり方)は別だからだ。

英語圏では、ティーンエイジャーを中心に「he(彼)」でも「she(彼女)」でもない、ただ自分という存在があるだけ、という主張もされている。

【関連記事】アメリカ、2019年の言葉にノンバイナリー語“they”選出。多様化するジェンダーの考え方とは?

ノンバイナリーの中には、ジェンダーフルイド(性自認が固定的ではなく、その時々によって変わるセクシュアリティ)も含まれている。呼び方がたくさんあるため混乱する人もいるかもしれないが、用語の意味も人によって変わる場合があるので、発言する人の真意を尊重するのがベストである。

トランスジェンダーやXジェンダーとの違いは?

ノンバイナリーと関連した言葉として、トランスジェンダーやクエスチョニング、ジェンダーフルイド、Xジェンダーなどの言葉が挙げられる。それぞれの特徴と違いを見ていこう。

■ 性的マイノリティを包括する言葉

  • クィア:すべての性的マイノリティのこと。クエスチョニングと同じくLGBTQの「Q」にあたる

■ 性的マイノリティに関して、違いを持つ言葉

  • トランスジェンダー:性自認と出生時に割り当てられた性別が一致していない状態
  • クエスチョニング:自分のセクシュアリティがわからない、あえて決めていない
  • ジェンダーフルイド:性が流動的。状況や時間によって、性が変わる
  • Xジェンダー:自身の性自認が「男性・女性」の二者択一に当てはまらない。日本独自の用語
  • ノンバイナリー:自身の性自認が「男性・女性」の二者択一に当てはまらない

ノンバイナリーは広義のトランスジェンダーに含まれるが、自らをトランスジェンダーとして認識していない当事者もいる。

また、クィアはヘテロセクシュアル/ヘテロロマンティック(異性に性的/恋愛的に惹かれる)、シスジェンダー(出生時に割り当てられた性別と自身の性自認が一致している)、アロセクシュアル/アロロマンティック(他者に対して性的/恋愛的に惹かれる)以外のすべての性的マイノリティを指す言葉だ。その点では、クエスチョニングやXジェンダー、ノンバイナリーすべて「クィア」という一語の中に含まれていると言える。

ノンバイナリーの権利を守る法律がアメリカで成立

2019年1月、米国カリフォルニア州では、ノンバイナリーを自分の性別として選択できる法律「California Gender Recognition Act (SB 179)」が施行された。

これにより、同州での出生証明書、運転免許証、身分証明書の性別欄には、男・女だけでなくノンバイナリーと記載できるようになっている。2019年夏時点で、米国の13州でノンバイナリーが選択可能となった。

ノンバイナリーという「言葉」と付き合っていく

ノンバイナリーの解釈、性自認、性的指向、性表現などは十人十色だ。最近は、セクシャルマイノリティ診断などもあるが、自身をカテゴライズするのが苦しいと感じるのであれば、何か一つに定める必要もない。このページが、ノンバイナリーのことを知るきっかけとなれば幸いだ。

▼記事の解説動画はこちら

【参照サイト】California Gender Recognition Act (SB 179)
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