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ブルー水素とは・意味

Hydrogen tram

ブルー水素とは?

ブルー水素とは、化石燃料の改質により水素生成を行ったうえで、炭素を回収・貯留する方法でつくられた水素のことを指す。改質とは、化石燃料を燃焼させてガスにし、そのガスの中から水素をとりだす方法である。

水素は、次世代のエネルギーとして期待されており、現段階では製造工程とエネルギー源の違いにより、以下の3つに分類されている。

グレー水素
化石燃料の改質から水素生成
ブルー水素
化石燃料の改質から水素生成を行ったうえで炭素を回収・貯留
グリーン水素
再生可能エネルギーなどを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素

なお、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などは、上記3分類にターコイズ(天然ガスを熱分解して水素と炭素に分離、炭素はカーボンブラックとして再利用)も加えた、4分類を用いている。

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出典:資源エネルギー庁「次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?」

ブルー水素の特徴

ブルー水素は、化石燃料由来であるものの、CO2回収・貯留(CCS)技術と組み合わせて活用することでCO2の排出を抑制できるため、気候変動の目標達成の一助となりうる水素製造方法であるといえる。2020年時点で、水素の約4分の3が天然ガスから製造されているとされ、CCSを導入することで、既存の設備等を引き続き使用しながら、CO2排出量の削減に貢献することが可能である。また、ブルー水素は、グリーン水素と比べてコストが安いという利点もある。

このため、ブルー水素の利用は、カーボンニュートラルに向けたエネルギー・トランジションの初期段階においては、水素市場の成長の促進に貢献する可能性があるとされている。

一方で、現在の技術で作られたCCSの回収効率は最高でも85〜95%と予想されており、5〜15%のCO2が排出されてしまうことから、水素製造に伴う炭素排出は、CCSによって削減することはできても、ゼロにすることはできない。温室効果ガスの回収・貯留技術については、まだ気候変動対策の効果が実証されていないとの指摘もある。

また、ブルー水素の製造は化石燃料の価格変動の影響を受けるという点や、CO2の輸送や貯蔵にコストがかかるという点、貯蔵されたCO2のモニタリングが必要となる点なども、課題となっている。さらに、これらのプロセスでは温室効果ガスのひとつであるメタンを使用・排出しているという点も指摘されている。

こういった理由から、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の報告書では、ブルー水素は、あくまでグリーン水素の生産・貯蔵能力が増強され、普及するまでの短期的な移行手段として位置づけられるべきであるとしている。

なお、国際エネルギー機関(IEA)による世界の水素需給予測(2020年)では、持続可能な開発シナリオ(SDS)の場合、2070年時点では、再生可能エネルギー由来のグリーン水素が約6割、化石燃料由来水素が約4割となる見込みであるとされている。

例えば、日本とオーストラリアが共同で実施する水素製造プロジェクト(オーストラリアで亜炭や褐炭と呼ばれる種類の石炭から水素を作り、日本に運ぶ取り組み)で、将来的に温室効果ガスの回収を実施するという計画に対しても、懸念の声が挙がっている。

水素の定義をめぐる議論

多くの国で水素の活用が政策的に推進されている。例えばEUでは、暫定的に低炭素水素(ブルー水素)を活用しつつも、最終的には再生可能エネルギー由来のグリーン水素に転換していくことを明確に掲げている。

このような、低炭素やグリーンといった水素の定義付けに関して、国際的な標準化の必要性が議論されている。標準化することにより、水素に包含される環境価値 を共通の指標で適切に評価することを可能とし、流動性・透明性を高めることで、国際水素市場の形成に寄与するためである。

欧州の燃料電池水素共同実施機構(FCH-JU)は、水素の定義の決定、及びその価値の証書化と取引スキーム「Gurantee of Origin(GO)」の構築に向けた「CertifHyプロジェクト」を2015年から実施している。低炭素水素を「天然ガス由来水素と比して60%CO2が削減されたもの」、グリーン水素を「再生可能エネルギー由来水素」と定義し、今後は、本実証での成果を域内の制度検討に活用していくという。

また、水素と燃料電池に関する多国籍パートナーシップ(IPHE)では、2020年3月に、クリーン水素を定義する前段階として、各種製造方法(石炭+炭素回収・貯留、水電解、ガス+炭素回収・貯留、 バイオマス、副生水素)のCO2の算出方法を検討する5つのタスクフォースが設置され、日本を含む13か国が議論に参加しているという。

これまで便宜的に「ブルー水素」と呼ばれてきた水素にも様々な種類があるため、今後国際的な議論をとおして、共通の定義が設定されるかもしれない。

【参照サイト】資源エネルギー庁「次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?」
【参照サイト】Green hydrogen: A guide to policy making
【参照サイト】経済産業省 資源エネルギー庁「今後の水素政策の課題と対応の方向性 中間整理(案)」
【参照サイト】日本と石炭火力発電 「ブルー水素」が答えになるか?




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