Learning by doingとは・意味
Learning by doingとは?
Learning by doing(ラーニング・バイ・ドゥーイング)は、アメリカの哲学者ジョン・デューイ氏によって提唱された教育の概念。学校の授業やビジネスのセミナーなど、誰かから一方的に話を聞いて知識を得るという手法ではなく、学ぶ側も一緒に実践し、体験することで学んでいく手法を指す。
簡単にいうと「やりながら学ぶ」ことだ。日本語では、「行動学習」「実践的/実験的学習」「発見的学習」などと訳されるように、見る、聞く、触れるなどの五感も使いながら、単なる知識ではなく発見・実感を得る。教育だけでなく、スタートアップなどのビジネスでも同じことが言え、前例がない中でも自ら動き、実践することで、アイデアが本当に有用なのかを確かめることができる。
ジョン・デューイ氏は、米シカゴ大学研究所を設立するときにこの概念をとなえた。その後、同じくアメリカの教育研究社リチャード・デュフォアに理論が採用され、専門的な学習コミュニティの開発に適用されている。
Learning by doing 海外の実例
アメリカ:WeWorkが仕掛ける小学校教育革命
WeWorkニューヨーク本社内にできた学校の事例。子供たちは週4日をオフィス内の学校で過ごし、週に1日をWeWork社が所有する60エーカーの農場で過ごす。そこで、WeWorkの社員や顧客である起業家たちから直接ビジネスの授業を受けるプログラムだ。生徒たちは算数を、自分たちで作った商品を売るスタンドの運営の中で学び、国語は、植物のサイクルについて書かれた文献を読みながら学ぶ。まさに五感を使い、実践を通した学習スタイルだ。
ドイツ:子どもたちによる都市運営のプログラム
ドイツのミュンヘン市は、子どもがこういった都市ならではの魅力を体感するとともに、都市がどのように運営されているのかを学ぶため、子どもたちによる都市運営のプログラム「Mini-Munich(ミニ・ミュンヘン)」を開催している。開催期間は夏の約3週間で、この間7~15歳の子どもたちが街を占拠し、政府の仕事や事業運営などを疑似体験する。仕事に就いたり、税金を納めたり、法案を通したりできる、本格的なプログラムだ。
フィンランド:教育と起業家マインド
フィンランドの教育は「起業家精神を育む」ことに焦点があてられている。以前IDEAS FOR GOODでも紹介したフィンランド版キッザニアMe & My Cityがいい例で、小学生のうちから街の運営、経済活動、選挙への参加などを通して社会とつながるトレーニングをしているのだ。
オランダ:コロナ対策
オランダでは、たとえ実験的で前例のない活動だったとしても「まずはやってみる」ポリシーを行政が掲げていて、コロナの状況下でも対応が素早い。2020年3月の中旬には、欧州各国の厳しいロックダウンに対して「インテリジェント・ロックダウン(※1)」という言葉を使い、一定のルールは設けるが、完全なロックダウンはしない方法を取っていた。そこからわずか1週間たらずで、子どもたちが一斉にオンライン教育へ切り替えるにあたり、行政と大企業が連携を図り、使われなくなったパソコンを集めて子どもたちに配ったり、打撃を受けた飲食店の共同イニシアチブが生まれたりした。
※1 自主性を重んじるので、国民は個々の判断でコロナウィルス対策のロックダウンをしようという、国民のインテリジェンス(知性)を信頼したロックダウン。
【参照サイト】John Dewey on Education: Impact & Theory
Learning by doingに関する記事の一覧
用語の一覧
あ行
- アイソレーション・エンヴィー
- アウティング
- アース・オーバーシュート・デー
- アカウントベースドマーケティング(ABM)
- アクアポニックス
- アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)
- アグリテクチャー
- アグリフッド
- アグロフォレストリー
- アセクシャル
- アップサイクル
- アドボカシー・マーケティング
- アファーマティブ・アクション
- アライ(Ally)
- アームチェア・アドボケイト
- アンダードッグ効果
- 人新世(アントロポセン)
- アンペイドワーク
- イケア効果
- インクルーシブデザイン
- インクルーシブビジネス
- インテレクチュアル・ダークウェブ
- イントレプレナー(イントラプレナー)
- インパクトソーシング
- インパクト投資
- インフォームドコンセント
- インフォデミック
- ヴィーガン
- ヴィーガンファッション
- ウェアラブルデバイス
- ウェルネス
- ウェルビーイング
- ウォーカブルシティ
- ウォーターフットプリント
- エイジズム
- エクスポネンシャル思考
- エコサイド
- エコーチェンバー現象
- エコファンド
- エシカルオフィス
- エシカル消費
- エシカルバンク
- エシカルファッション
- エッジコンピューティング
- エレン・マッカーサー財団
- エンゲージメント(議決権行使)
- 欧州グリーンディール
- オーガニック(有機栽培)
- オープンガバメント
か行
- ガイア理論
- 拡張分析
- カーボンオフセット
- カーボンネガティブ
- カーボンフットプリント
- カーボンポジティブ
- カーボンニュートラル(気候中立)
- カーボンリサイクル
- カーボンロックイン
- 環境正義
- 環境レイシズム
- 関係人口
- 規格外野菜
- 気候緩和
- 気候危機
- 気候正義
- 気候非常事態宣言
- ギフトエコノミー
- キャップ・アンド・トレード
- キャンセルカルチャー
- クラウドファンディング
- クリックベイト
- グラフィティ・アート
- グリーンウォッシュ
- グリーンインフラ
- グリーンキー
- グリーン・スワン
- グリーンビルディング
- グリーンボンド
- クルエルティフリー
- グローカル
- クロスドレッサー
- クローン文化財
- ケアエコノミー
- ゲーミフィケーション
- ゲームチェンジャー
- 効果的利他主義
- コラプソロジー
- コラボラティブエコノミー
- コレクティブハウス
- コンシャス・キャピタリズム
- コンストラクティブジャーナリズム
- コンセプチュアル・アート
- コンポスト(堆肥化)
さ行
- サイバーカスケード
- サイレンス・タクシー
- 座礁資産(ストランデッド・アセット)
- サステナビリティ
- サステナブル・シーフード
- サステナブル・ツーリズム
- サステナブル投資
- サーキュラーアドバンテージ
- サーキュラーエコノミー
- サーキュラーデザイン
- サードプレイス
- サブスクリプションエコノミー
- サーマルリサイクル
- シェアリングエコノミー(共有型経済)
- ジェネレーションZ(Z世代)
- ジェンダーニュートラル
- ジェンダーフルイド
- ジェンダー・ポジティブ
- ジェントリフィケーション
- 自然資本会計
- 持続可能な開発目標(SDGs)
- 社会的責任投資(SRI)
- シリアスゲーム
- 素人革命
- 集改札スト
- 修理する権利
- ジュガード
- シンギュラリティ
- 水素経済
- 垂直農業
- スウェットショップ
- ステークホルダー・エンゲージメント
- ステークホルダー資本主義
- ステレオタイプ
- スペキュラティブ・デザイン
- スポンジシティ
- スマートグリッド
- スマートモビリティ
- スマートホーム
- スマートリテール
- スラックティビズム
- スラット・シェイミング
- スレイジアン
- スロージャーナリズム
- 生物多様性
- 生理の貧困
- セクシュアル・コンセント
- ゼブラ企業
- ゼロウェイスト
- ゼロエミッション
- 選挙割
- センスメイキング
- ソーシャルグッド
- ソーシャルデザイン
- ソーシャルハウジング
- ソーシャルビジネス
- ソーシャルリスニング
- ソーシャルレンディング
た行
- 代替肉(フェイクミート)
- タイニーハウス
- ダイバーシティ
- ダイベストメント
- 男女同権
- 炭素固定
- 地域循環共生圏
- チャットボット
- チャーナリズム
- ディープラーニング
- デカップリング
- テキストコマース
- デ・グロース(脱成長)
- デザイン思考
- デジタル・ガバメント
- デジタルシティズンシップ
- デジタル手続法
- デジタルデトックス
- デジタルタトゥー
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- デジタル倫理
- デジタルファッション
- データドリブン
- デュアルスクール
- 電子廃棄物
- 統合報告
- 都市生態学
- 都市農業
- ドーナツ経済学
- トランジションデザイン
- トランジション・ファイナンス
- トリプルボトムライン
- トレーサビリティ
な行
- ナイトタイムエコノミー
- ナッジ(行動経済学)
- ナラティブ
- ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)
- ナラティブ
- 人間拡張
- 人間中心設計
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)
- ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)
- ノンバイナリー
は行
- バーチャルウォーター
- バイオフィリックデザイン
- バイオミミクリー
- バイオプラスチック
- バイオ燃料
- バイオレメディエーション
- 墓友
- ハウジングファースト
- ハザードマップ
- パッシブデザイン
- 発達障害
- パートタイム・ヴィーガン
- パートタイム・ベジタリアン
- パーマカルチャー
- ハラルフード
- バリアフリー
- パリ協定
- パンセクシャル
- パンデミック
- バンドワゴン効果
- 半農半X
- ビオトープ
- BIO HOTEL(ビオホテル)
- ビッグデータ
- ヒュッゲ
- ヒューマニウム
- フードセキュリティ
- フードファディズム
- ファイトマイニング
- ファイトレメディエーション
- ファイナンシャル・インクルージョン
- フィランソロピー
- フィルターバブル
- フィーカ
- フェアトレード
- フェーズフリー
- フォー・グッド
- フォルケホイスコーレ
- プラスチックフリー
- ブルーウォッシュ
- ブルーエコノミー
- ブルーカーボン
- ブレインストーミング
- フレキシタリアン
- ブロックチェーン
- 分散型社会
- 分散型ホテル
- 紛争鉱物
- ベーシックインカム
- ベジタリアン
- ヘドニスティックサステナビリティ
- ヘルスリテラシー
- ポストワークエコノミー
- ボディシェイミング
- ボディ・ポジティブ