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グラスゴー気候合意とは・意味

グラスゴー

グラスゴー気候合意とは?

グラスゴー気候合意(Glasgow Climate Pact)とは、2021年10月31日~11月13日に英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で採択された成果文書である。

具体的には、以下8つのカテゴリー、全71の項目から構成されている。

  1. 科学と緊急性
  2. 適応
  3. 適応資金
  4. 緩和
  5. 緩和及び適応のための資金、技術移転、並びに能力構築
  6. ロス&ダメージ(気候変動の影響に伴う損失及び損害)
  7. 実施
  8. 協働

グラスゴー気候合意の内容

グラスゴー気候合意で注目すべき点としてまず、2100年の世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑える努力を追求していくことが盛り込まれたことが挙げられる。

2015年に採択されたパリ協定では、世界平均気温の目標について「平均気温の上昇を2度より充分低く保ち、できれば1.5度に抑える努力を追求する」と定められていたことから、いわゆる「2度目標」が世界共通の目標として広く認識されていたが、かねてより、「2度目標」では不十分との議論も高まっていた。

2021年の8月に発表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも、科学的根拠に基づき、今後数十年で地球温暖化ガスの排出量を大幅に削減しない限り、パリ協定の目標達成が極めて困難であることなどが示されていた。グラスゴー気候合意では、このような議論の潮流をうけ、世界の気候変動対策の基準として、「1.5度目標」を明確に掲げるかたちとなった。

次に、石炭火力発電に関する記載に関しては、草案では「段階的廃止(phase-out)」という表現であったが、インド、中国の反対により「段階的に削減(phasedown)」との表現に変更された。非効率な化石燃料への補助金は「段階的に廃止(phase-out)」と明記されたものの、妥協案が合意されたかたちとなった。

また、緩和・適応のための資金の必要性についても強調された。特に開発途上締約国への支援を2025年までに年間 1千億米ドル以上に増やすことを完全に達成することや、あらゆる資金源から気候資金を動員する必要があることが強調された。

グラスゴー気候合意の評価と今後

上記のとおり、1.5度目標を明確に掲げたことなどはCOP26の成果とされているが、石炭火力発電については「段階的に廃止」から「段階的に削減」と表現が弱まったことで、合意内容として不十分であるとの声も挙がっている。

合意文書について、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「今日の世界の利害や矛盾、政治的意思の状態を反映している」と述べており、COP26閉幕にあたり発表されたビデオメッセージでは、化石燃料への補助金の廃止や石炭の利用の段階的な廃止を呼びかけた。

また、COP26のアロック・シャルマ議長は、今後各国がコミットメントを迅速な行動に移し、 グラスゴー気候合意で設定した期待を現実のものとしていかなければならないことを強調している。「1.5度目標」を達成するためには、世界全体のCO2排出量を2010年比で2030年までに45%削減し、2050年には実質ゼロにすることが求められており、いずれにせよ、大幅かつ抜本的な変革が必要である。アロック・シャルマ議長が訴えるように、迅速に行動に移していくことが求められ、各国の動向が注目される。

【参照サイト】グラスゴー気候合意(原文)
【参照サイト】グラスゴー気候合意(環境省暫定訳)
【参照サイト】COP26、気候に関する「妥協」協定とともに閉幕するも、国連事務総長は「不十分」と指摘




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