アンステレオタイプとは?
アンステレオタイプとは、ステレオタイプを撤廃しようとする取り組みのこと。国連女性機関UNWomenが発足した「アンステレオタイプアライアンス」という組織が提唱した造語で、stereotype(固定観念)にun(否定を意味する接頭辞)を組み合わせたものである。同組織では主に、メディアや広告に存在するステレオタイプを対象としている。
ステレオタイプの問題点
そもそもステレオタイプとは、多くの人に浸透している固定観念や思い込みのことを意味する。ステレオタイプの具体例としては、ジェンダーのほかに、人種・国籍、宗教などが挙げられ、これらは当事者の自由な発想や活動の妨げになるとして問題視されている。
アンステレオタイプが生まれた背景
メディアや広告の作成には、ペルソナと呼ばれる手法が用いられる。これは、「20代女性」や「アメリカに住む日本人」など特定のキーワードで架空の人物像を設定し、そうした人々にリーチするものを作るというマーケティングの手法である。こうした手法はステレオタイプを強化する危険性があるとして、広告業界では2010年頃からアンステレオタイプの意識が共有されるようになっていた。
2017年のカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルにて、アンステレオタイプアライアンスが発足され、こうした取り組みは本格的に行われるようになった。
広告表現における3つのP
アンステレオタイプを推進するアンステレオタイプアライアンスでは、広告表現を見つめるための原則として「3つのP」を定めている。
Presence(プレゼンス:存在)
どのような人物が登場しているか。男性、女性を含め、多様な人々が含まれていることが望ましい。
Perspective(パースペクティブ:視点)
誰の視点からストーリーが語られているのか。偏りのない視点で取り上げられるようにする。
Personaily(パーソナリティ:個性)
登場人物に深みがあるか。人物を外見だけでなく、人格や主体性を持つ存在として多面的に描く。
アンステレオタイプアライアンスの活動と具体例
アンステレオタイプアライアンスは現在、日本・オーストラリア・ブラジル・インド・ケニア・メキシコ・ナイジェリア・南アフリカ・トルコ・アラブ首長国連邦・英国に支部を設立し、各国の状況に応じた取り組みを進めている。
組織全体としては、2030年までに持続可能な開発目標(SDGs)の一つである「ジェンダー平等」の達成を直近の目標として掲げ、様々な調査やシンポジウムの開催をしている。
「アンステレオタイプ:ジェンダーを超えて。隠れたステレオタイプ(Unsetereotype: Beyond Gender – The Invisible Stereotypes)」
南アフリカ・ブラジル・インドの男女それぞれ1,000人を対象にした調査報告書(※1)。この調査は2018年に実施され、広告表現とインターセクショナリティの実態について明らかにした。
ビヨンド・ジェンダー2(Beyond Gender2)
2021年4月に、日本・トルコ・イギリス・アメリカを対象に実施された調査報告書(※2)。広告におけるインターセクショナリティの存在と影響力について2,000人の回答を収集した。この報告書では、ブランドに対する消費者の期待が変化していることが示され、アンステレオタイプに取り組むコンテンツにより好感が持たれるようになっていることが判明した。
まとめ
メディアや広告以外の分野でも、ステレオタイプを撤廃しようとする動きは世界中で見られるようになってきている。現段階では、そうした取り組みの多くはジェンダーや人種といったポイントに焦点を当てているが、今後はアンステレオタイプアライアンスが明らかにしたように、より複雑なステレオタイプに対しての取り組みが期待されている。
【参照サイト】UN Women日本事務所 – アンステレオタイプアライアンス
【参照サイト】UNSTEREOTYPE ALLIANCE – Beyond Gender – The Invisible Stereotypes
【参照サイト】UN Women日本事務所 – ビヨンド・ジェンダー2
【参照サイト】大和ハウス工業 – アンステレオタイプとは?
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