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地球温暖化対策のための税とは・意味

Carbon Credit

地球温暖化対策のための税とは?

地球温暖化対策のための税(温対税)とは、日本で平成24年から導入された環境税の一つで、石炭・石油・天然ガスといった全ての化石燃料の使用に対し、CO2排出量に応じてかけられる税金のこと。諸外国で導入されている炭素税と同類の税制である。

2015年のパリ協定を受けて、日本は脱炭素社会を目指し、2050年までに2013年度比で80%の温室効果ガス排出削減を目標としている。

現在、日本で排出される温室効果ガスの約85%がエネルギー利用に伴うCO2だとされている。そこで地球温暖化対策税で化石燃料の使用に課税を行うことにより、CO2の排出削減を目指している。同時に、税収をさらなる地球温暖化対策の財源として利用し、再生可能エネルギーの推進や省エネ対策の強化を進めるとしている。

地球温暖化対策税の仕組み

地球温暖化対策税は、全化石燃料を課税ベースとする「石油石炭税」に地球温暖対策税の税率を上乗せするかたちで課税される。

税率は化石燃料ごとのCO2排出原単位(一単位あたりの活動量から排出されるCO2排出量)を用いて計算される。具体的には化石燃料ごとに、CO2排出量1トンあたりが等しく289円になるように単位量(キロリットルまたはトン)あたりの税率を設定している。

つまり、原油であれば、1キロリットルあたりのCO2排出量は約2.62トンのため、2.62トン×289円=760円の地球温暖化対策税が課税されることとなる。

家計における課税負担の軽減

地球温暖対策税の導入にあたっては、企業や家計への急激な負担を軽減するため、施行から3年半で税率が3段階に分けて引き上げられた。

地球温暖化対策税による家計負担は、平均的な家庭で年1,200円程度、月に換算すると100円程度と想定されている。家計への負担が増えることには変わりないが、省エネなどの温暖化対策を積極的に行うことにより、CO2を削減しながら経済的な負担を軽減することができる。

例えば冷暖房の温度を1℃調整する省エネ対策を1年行うと、年間約1,800円の節約、約33kgのCO2削減につながるといわれている。

地球温暖化対策税のメリット・効果

地球温暖化対策税を導入することによるメリットや効果は以下のような点だ。

CO2排出削減

まず、課税により化石燃料の価格が上昇することで消費が抑えられ、CO2排出を減らす効果が期待できる。 しかし、地方の自動車使用や寒冷地での暖房など、化石燃料が生活必需品として使用される場合には価格の上昇だけでは完全にCO2を削減できない。そのため、CO2削減のためには長期的な目線で、省エネ製品の導入補助や再生可能エネルギー使用の促進を併せて行う必要がある。

温暖化対策の意識向上

税の導入がきっかけで省エネや温暖化対策に対する人々の意識が高まり、より良い行動変容を促す効果が想定される。それにより省エネ製品や再生可能エネルギーの利用が進めば、将来的により高いCO2の削減効果が期待できる。

省エネ製品の普及と技術の発展

地球温暖化対策税の税収を省エネ製品普及の補助金として活用することで、省エネ製品の利用が進み、将来的により高いCO2削減効果が見込まれている。需要の高まりに合わせ、技術も発展する可能性がある。

再生可能エネルギーの推進

地球温暖化対策税の税収は、太陽光、水力、風力、バイオマスなど自然エネルギー発電への転換のための財源としても利用すると環境省は示している。これにより再生可能エネルギーの研究開発が進み、実用化に向けた動きが加速する可能性がある。

地球温暖化対策税の課題

現在のところ、地球温暖化対策税は価格の上昇によるCO2削減効果は小さく、税収も少ない状況だ。国立環境研究所の調査結果によると、地球温暖化対策税の導入により2020年に削減できたCO2排出量は1990年比で約1%分程度だったという。

このように地球温暖化対策税のCO2削減効果が小さい理由のひとつは、税率の低さにあるといわれている。炭素税の導入が進む欧米諸国に比べると、地球温暖対策税の税率は約10分の1ほどに留まっている。このためCO2削減効果をより高めるためには追加の税制や施策が必要だといわれており、 環境省は新たに炭素税の導入などを検討している。

しかし、増税により企業や家計への負担が大きくなりすぎると、社会へ経済的に悪い影響を与える可能性もあるのが難しい点だ。追加で税制を導入する際は、軽減措置などを併せて検討する必要がある。

今後に向けた地球温暖化対策税の役割

現状、CO2削減効果が十分でないと言われる地球温暖化対策税ではあるが、2050年の脱炭素社会実現に向けて温暖化対策を加速させるための足がかりとしての役割を持っている。

先にあげた社会の意識変容による省エネ製品普及や再生可能エネルギーの研究開発などには時間やコストがかかり、短期的にCO2の削減効果が見込めるものではない。しかし地球温暖化対策税の導入がきっかけとなり、企業と家庭が化石燃料の使用やエネルギー消費のあり方を見直すことで、長期的にみればCO2削減が進む可能性も考えられる。

今後、課税によるCO2削減効果を継続的に検証しつつも、炭素の価格づけのみに捉われない幅広い視点で脱炭素に向けた対策を考えていくことが重要だ。

【参照サイト】地球温暖化対策のための税の導入|環境省
【参照サイト】令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書第2部 第1章 第1節「地球温暖化対策」|環境省
【参照サイト】温暖化対策税制の効果・影響について|環境省
【参照サイト】国立環境研究所 地球環境研究センターニュース
【参照サイト】2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討|経済産業省自然エネルギー庁




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