バーゼル条約とは?
バーゼル条約(正式名称は「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」)は、国連環境計画(UNEP)とOECDが中心となって検討が行われ、有害廃棄物越境移動の国際ルールとして1989年に採択、1992年に発効した条約。
日本は1993年に同条約を締結し、国内担保法である「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」いわゆるバーゼル法を施行した。
バーゼル条約の概要
有害廃棄物の国境を越える移動は1970年代から欧米諸国を中心にしばしば行われてきたが、1980年代に入って開発途上国で放置された廃棄物による健康被害や環境汚染が深刻化した。こうした問題を解決するためにつくられたのがバーゼル条約で、その概要は次のとおり。
- 有害廃棄物の国内処理の原則・越境移動の最小化
- 有害廃棄物等を輸出する際の輸入国・通過国への事前通告、同意取得の義務付け
- 非締約国との有害廃棄物の輸出入の禁止
- 不法取引が行われた場合等の輸出者による再輸入義務
- 規制対象となる廃棄物の移動に対する移動書類の携帯義務等
バーゼル条約における「有害廃棄物」の対象物は同条約の附属書に定められているが、2019年の第14回締約国会議(COP14)ではリサイクルできない汚れたプラスチック、2022年のCOP15では非有害な電子・電気機器廃棄物(E-waste)を規制対象に追加するなど、時代の要請に応じて見直しが行われている。
日本におけるバーゼル条約の実施状況
2021年の我が国の有害廃棄物の輸出入(承認ベース)は、輸出417千トン、輸入10千トンと輸出が輸入を大きく上回っている。法令に則って適切に行われている輸出入が大部分であるが、税関検査で違反が発覚して輸出差し止めとなる例や、輸出相手国で通関できずシップバック(返送)される事案も多発している。
悪質な事業者には厳重注意(行政指導)が行われているが、行政処分や罰金刑が課される例はほとんどないようだ。バーゼル条約の実効性を高めるには、未遂罪の創設などの法整備や政府の対応の厳格化が求められる。
バーゼル法違反事案の例
- 未承認輸出未遂
バーゼル法上の必要な手続きを行わず有害物質の含有のおそれのある廃基板が混入したメタルスクラップをタイに輸出しようとしたところ、税関検査で発覚
- 未承認輸出未遂
バーゼル法上の有害廃棄物に指定されている鉛バッテリーを必要な手続きを行わずにベトナムに輸出しようとしたところ、税関検査で発覚
- シップバック(積み戻し)
再生利用目的として輸出した廃基板や複数の種類のプラスチックが混入した貨物(メタルスクラップ:被覆導線))が、輸出先のマレーシア当局にバーゼル法上の特定有害廃棄物等に該当すると判断されシップバック(積み戻し)された
【参照サイト】経済産業省 バーゼル条約・バーゼル法
【参照サイト】環境省 廃棄物・特定有害廃棄物等の輸出入
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