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J-クレジット制度とは・意味

木と小さな黒板

J-クレジット制度とは?

J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を、カーボンクレジットとして国が認証する制度である。「国内クレジット制度」と「オフセット・クレジット(J-VER)制度」が発展的に統合した制度であり、2013年より運用されている。

J-クレジット創出者は、温室効果ガスの排出削減または吸収量の増加につながる事業をプロジェクトとして登録したうえで、モニタリング(燃料使用量等の計測)を実施し、それを外部機関が検証したうえで、J-クレジットが認証・発行される。J-クレジット購入者は、自社のカーボンニュートラル目標の達成、CSRやIR活動のためにJ-クレジットを購入するという仕組みである。この仕組みにより、クレジット創出者と購入者の間で資金循環が生まれ、温室効果ガスの排出削減につなげることを狙いとしている。

J-クレジットの仕組み

出典:J-クレジット制度について (データ集)

企業にとってCO2削減は喫緊の課題となっており、カーボンクレジットの購入は、CO2削減の取り組みを補完する方法のひとつとして需要が高まっている。

J-クレジット制度の方法論

J-クレジット制度では、排出削減・吸収に資する技術ごとに、適用範囲、排出削減・吸収量を算定する方法(算定式)、その算定式に用いられる各種パラメータ等をモニタリングする方法が定められている。

方法論は、「省エネルギー」「再生可能エネルギー」「工業プロセス」「農業」「廃棄物」「森林」という6つの分野で、全63種類が作成されている。

プロジェクトの計画、モニタリング、検証は、これらの方法論に沿ったかたちで行われることで、一貫性が保たれる仕組みとなっている。

J-クレジットの広がり

J-クレジット制度の登録プロジェクト件数は、制度開始以来増加を続けている。「国内クレジット制度」と「オフセット・クレジット(J-VER)制度」からの移行分も含むプロジェクト件数の累計は、2021年3月時点で897件であり、認証されたクレジットは804万t-CO2にのぼる。

J-クレジット制度登録プロジェクト件数

出典:J-クレジット制度について (データ集)

政府は、2016年5月に閣議決定された地球温暖化対策計画において、J-クレジットの認証量に関する目標を設定し、2018年3月の同計画フォローアップにおいて、目標を引き上げている。2020年度の認証量は目標を上回ったため、2030年度の目標について更なる引き上げが検討され、2021年10月22日に閣議決定された地球温暖化対策計画において、2030年目標は1500万t-CO2に引き上げられた。以下は、当初の目標値と修正された目標値の推移を表すグラフである。

J-クレジットの落札価格

出典:J-クレジット制度について (データ集)

クレジット購入者は、プロバイダー等による仲介や直接取引によりクレジットを購入可能であるが、J-クレジット制度事務局では大口活用者向けに、2016年以降計12回の入札販売を実施している。再エネ発電由来のクレジットがCDPの質問書に報告可能になったことから、再エネ発電由来のクレジットへの需要が高まっており、第4回以降は再エネ発電と省エネを分けて入札販売している。

再エネ発電由来のクレジット価格は近年上昇しており、2022年1月の入札では2,995円/t-CO2であった。

クレジットの活用事例

J-クレジット購入者は、クレジットをどのように活用しているのだろうか。以下に主な活用方法を紹介する。

温対法・省エネ法での活用

温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)では、調整後温室効果ガス排出量や、調整後排出係数の報告に利用可能。

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)では、省エネルギープロジェクトによるクレジットを省エネ法の共同省エネルギー事業の報告に利用可能。

CDP・SBTRE100での活用

CDPやSBT(Science Based Targets)では、再エネ電力や再エネ熱由来のJ-クレジットを、再エネ調達量として報告することが可能。

RE100では、再エネ電力由来のJ-クレジットを、再エネ調達量として報告することが可能。

カーボンオフセットに使う

カーボンオフセットに使うことで、企業のCSR活動や、製品・商品・サービスのブランディングに活用可能。

SHIFT・ASSET事業に活用

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業であるSHIFT事業、先進対策の効率的実施によるCO2排出量を大幅に削減する設備補助事業であるASSET事業における削減目標達成に利用可能。

経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成に活用

経団連が策定した「経団連カーボンニュートラル行動計画」の目標達成に利用可能。

J-クレジット制度の評価と課題

J-クレジットは、国が運用する制度としての信頼性が評価されている。また、方法論やモニタリングの厳格さという観点でも国際的イニシアチブからの評価を受けている。一方で、以下のような課題が挙げられている。

需要拡大への対応
企業・自治体等からのニーズが拡大しており、拡大する需要への対応が課題となっている。また、CORSIA(国際民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム)といった国際的な枠組みへの参加による、J-クレジットのさらなる市場活性化についても議論されている。

信頼と利便性の両立する制度運営
制度が複雑で難しい、システム上で完結できるようにして欲しいといった、利便性への不満が挙がっている。

まとめ

質と透明性の高いクレジットとしてJ-クレジット制度が果たす役割は大きく、今後ますますJ-クレジット市場が発展すると見込まれることから、需要の拡大に対応しつつ、利便性を備えた制度として発展していくことが期待される。

【参照サイト】J-クレジット制度
【参照サイト】J-クレジット制度について (データ集)
【参照サイト】J-クレジット活性化に向けた 最近の検討状況について




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