デジタルメディスンとは?
デジタルメディスン(デジタルメディシン/デジタル薬)とは、デジタルデバイスが組み込まれた医薬品のこと。たとえば錠剤を服用した際に、体の活動量や傾きなどの身体情報や、服薬した時刻などの情報が、胃のなかに入った錠剤に内蔵されたセンサーからスマートフォンなどに発信されるような仕組みだ。服薬状況の管理や、医薬品の効果の把握に役立つとされている。
製薬会社とIT企業が協力し、いま世界各国で急速に進められている「デジタルヘルス(※1)」の取り組みの一部だ。
※1 デジタルヘルス=デジタル技術を活用して、医療やヘルスケアの効果を向上させること。
デジタルメディスンが注目される理由
デジタルメディスンが注目される背景には、主に二つの要因が挙げられる。
薬の服用状況の確認
デジタルメディスンは服用状況がデータで記録されるため、飲み忘れの防止につながる。医者としても、患者が指導した通りの時刻や回数で薬を服用できているのか、そもそも飲んでいるのか、その上で薬の効果はあったのかどうか、を確認できる点が心強い。
病気の重篤化の予防、早期発見
服用前後の体調をアプリで管理し、医師と共有することで、病気の早期発見ができる可能性がある。
いずれにしても、患者が薬を正しく服用してデータを共有することで、手動で確認するような手間が減り、結果的に医療費や介護費等の社会的コストが削減できるのだ。少子高齢化社会の日本では、医療給付費の削減が最重要課題のひとつとなっており、デジタルメディスンの活躍が期待されている。
デジタルメディスンの事例
2017年、世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite)」が、米国のFDA(米国食品医薬品局)に承認された。エビリファイ マイサイトは大塚製薬株式会社の抗精神病薬「エビリファイ」の錠剤に、アメリカのロテウス・デジタル・ヘルス社が開発した摂取可能な極小センサーが組み込まれた医薬品だ。
医薬品に組み込まれたセンサーが胃液に触れるとシグナルを発信し、患者の身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」がシグナルを受け取り、服用した日時と錠数を記録する仕組みだ。その後センサーは体内で消化・吸収されることなく、体外に排出される。
「マイサイト パッチ」は患者の睡眠や活動量などのデータも記録することができ、服用日時と錠数と合わせて、専用の「マイサイト アプリ」にデータを送信する。アプリでは服用状況や活動量の確認に加え、気分や睡眠状況の記録もでき、患者の同意があれば家族や医療従事者にデータを共有も可能だ。
まとめ
マイサイト アプリのように、スマートフォンアプリを活用したものは、デジタルヘルスの中でも特に注目度が高く、世界各国で研究が進められている。今後の動向に注目だ。
【参照サイト】医薬産業政策研究所:デジタルメディスンの潮流と製薬産業の関わり
【参照サイト】デジタルヘルスとは?
【参照サイト】大塚製薬:エビリファイ マイサイト








