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ステークホルダー・エンゲージメントとは・意味

ステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダー・エンゲージメントとは?

ステークホルダー・エンゲージメントとは、企業が複数のステークホルダー(=企業の活動にかかわり、サービスやプロダクト等の影響を受ける人)の意見を自社のガバナンスや意思決定に反映させるプロセスのこと。簡単に言うと、企業に関わるあらゆる人の期待や関心を理解するための対話だ。

代表的なのが、株主や従業員、顧客、市民団体などのステークホルダーと対話をする「ステークホルダー・ダイアログ」。他にも説明会や交流会、アンケートなどを実施することがステークホルダー・エンゲージメントと言われる。利害関係者の声を聞き、自社の課題を洗い出して改善していくことには意義があり、組織がCSR(社会的責任)を果たす上で欠かせない。

ステークホルダーエンゲージメントの例

ステークホルダーエンゲージメントの具体例には、次のようなものがある。

  • 顧客に対し、相談窓口やウェブサイト等でサービス情報の提供、満足度調査、セミナー開催
  • 地域社会に対し、地域貢献活動、事業所の一般公開、環境監視。
  • サプライヤーに対し、説明会、アンケート、情報交換、ガイドラインの策定
  • 従業員に対し、社内報、意識調査、社内通報ラインの設置、労働組合との対話
  • 株主に対し、株主総会、IR説明会、統合報告書の発行、ウェブサイトでの情報提供、見学実施
  • 市民団体に対し、意見交換、交流会の実施

ステークホルダー・エンゲージメントの原則

ステークホルダー・エンゲージメントに関する原則を10つまとめた。

  1. コミュニケーションを行う
    ニーズを把握する上で、まずステークホルダーに関する情報を収集することが重要だ。そのうえで、こちらの持っている情報をステークホルダーと共有していく。
  2. 早期かつ頻繁に相談する
    事業を進めていくうえで、目的やスケール、リスク、アプローチ等がステークホルダーに不明確ではいけない。多くのステークホルダーに受け入れられる事業プランを見つけるために、早い段階から定期的な話し合いを行うことが不可欠だ。
  3. 相手が生身の人間だということを理解する
    人は常に合理的で一貫性のある行動をとるわけではない。ステークホルダーの行動の根本原因を理解することで、生産的な関係を維持するためのより良い方法を評価できる。
  4. 計画する
    ステークホルダー・エンゲージメントに対しても慎重な計画を行うことは有益である。誠実でしっかりと計画したアプローチが不可欠だ。
  5. 人間関係を築く
    信頼関係を築くと、人はより協力的になる。ステークホルダーとの関係を構築すると事業環境全体に信頼が集まり、不確実性を最小限に抑え、問題解決と意思決定をスピードアップすることが出来る。
  6. シンプルにタイムリーに行動する
    元々の計画に加えて、リスクを予測し、ステークホルダーに対して、シンプルでタイムリーな行動を取ることで、事業の実施を大幅に改善することが可能だ。簡単なようで、実はあまり実行できてない事が多い。
  7. リスクマネジメントを行う
    ステークホルダーは、事業に影響を与える重要な存在で、リスクにも機会にもなりうることを理解し対応する。
  8. 妥協点を見いだす
    一連のステークホルダーの多様な期待と優先事項を念頭に置き、すべてのステークホルダーの相対的な重要性を評価し、最も受け入れられる基本線を確立する。
  9. 成功とは何かを理解する
    何をもってプロジェクトの成功とするかは、人それぞれの味方によって異なる。ステークホルダーのコミュニティが、成功と見なすことができるものを確立する必要がある。
  10. 責任を持つ
    ステークホルダー・エンゲージメントは、プロジェクトチームの1人で出来る仕事ではない。各自の役割を理解し、コミュニケーションとエンゲージメントの正しいアプローチをとる責任がすべての人にある。優れた事業ガバナンスを行うためには、ステークホルダー・エンゲージメントの役割や責任、事業に関わる人々に期待されることを明確にする必要がある。

日本企業の事例

日本にも、自社のステークホルダー・エンゲージメントを表明している企業が多くある。以下はその一例だ。

NTTグループは、メディア等のコミュニケーションをモニタリング。サイト、講演、報告書等で情報提供。調査やワークショップで対話。ホルダーダイアログ等で会社の意思決定への関与。ジョイントベンチャー等とコラボレーションし事業を実行するといった手法で、取り組む。

SOMPOは「ステークホルダーの意見を意思決定に活かして業務の革新と品質向上につなげること」および「ステークホルダーと価値観を共有し、よりよい社会を目指して行動するために、ステークホルダーに積極的に働きかけ、相互理解と協働を深めること」の2つをステークホルダー・エンゲージメントに取り組む目的としている。そのために、CSR重点課題の特定やグループCSR-KPI(重要業績評価指標)等の設定を行う。また社会的課題の解決に資する商品・サービスにつなげるとともに、継続的なエンゲージメントにより、取組みの見直し・改善を図る。

ダイキンは、ステークホルダーとの対話や協働を、持続的成長に欠かせないものと位置づけ、株主・投資家・取引先・従業員、地域社会との対話を大切にし経営に生かす。また企業としての成長と社会の持続性の両立を目指し、技術の普及や製品・サービスの環境性能向上に関して、各国政府・自治体や国際機関、有識者と積極的な対話・協働を行っている。

まとめ

企業が行う事業は、人、社会、環境に良かれ悪かれ影響を及ぼす可能性がある。その事業の透明性を保ち、ステークホルダーの相互理解を深め、誰にとっても実りあるものにするために、ステークホルダー・エンゲージメントは重要なものだと言えるだろう。

【参照サイト】環境省
【参照サイト】Association for Project Management

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