リカレント教育とは?
リカレント教育とは、日本語で「循環する」、「繰り返す」という意味で、学校教育を修了した社会人が、それぞれのタイミングで学び直し、社会で求められる能力を磨き続けるという循環教育制度のことである。「教育」と「就労」のサイクルを繰り返すことが特徴である。
リカレント教育が注目される背景
リカレント教育が注目されている背景には、ライフスタイルの多様化や働き方改革がある。社会人経験後に留学したり、転職や起業、さらには定年後に再就職したりと、新たな仕事を始める人が増えている。そのため、キャリアアップやキャリアチェンジを念頭に置いた働き方やライフスタイルの変化に応じた生き方がいっそう求められている。
また、AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)などの技術革新により、専門的知識を定期的にアップデートする必要性が高まってきたことも背景のひとつとして挙げられる。現在のコロナ禍で、リモートワークやオンライン会議も増えている中、その情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる情報格差が問題となっており、情報通信技術の学びなおしの需要が高まっている。
リカレント教育の支援制度
厚生労働省では、社会人の主体的な学び直しのきっかけともなるキャリア相談や学びにかかる費用の支援などに取り組んでいる。具体的には、以下のような労働者の学びへの支援制度がある。
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1. 教育訓練給付金:厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される制度
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2. 高等職業訓練促進給付金:ひとり親世帯において、国家資格や民間資格の取得を目的に修学する際に、修学期間の生活費(月額10万円)が支給される制度
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3. キャリアコンサルティング:在職者がキャリア専門のコンサルタントに自身のキャリアについて相談できる制度
他にも経済産業省では、『巣ごもりDXステップ講座情報ナビ』や『第四次産業革命スキル習得講座認定制度』の利用を推奨している。これらは、昨今の技術革新によるデジタルスキルやITリテラシーの学びなおしという需要に対応した支援制度となっている。文部科学省では、「いつでも・どこでも・誰でも」学べる社会に向けて、『マナパス』にて社会人の学びの情報を提供している。
世界のリカレント教育の事例
海外諸国の中でも、特にスウェーデン、フィンランド、デンマークなどの国々は、積極的にリカレント教育を進めている。デンマーク発祥として北欧に広がっている教育機関フォルケホイスコーレは、リカレント教育の代表例である。「人生の学校」とも呼ばれ、17.5歳以上であれば誰もが知的好奇心に基づき様々な科目を学ぶことができる。日本においてもこのフォルケホイスコーレに基づく様々な取り組みが広がってきている。岩手県陸前高田市にあるNPO法人SETが運営する、「Change Maker’s College」や、北海道東川町にある株式会社Compathが運営する、「School for Life Compath」などは、いずれも持続可能なライフスタイルについて探求する学び舎となっている。
スウェーデンの生涯教育機関であるコンヴックスは、20歳以上のスウェーデン在住者であれば誰でも無償で教育を受けることができる。すべての国民に①小中学校レベルの基礎知識を身に付けさせる、②学びたい人に高等教育以上の学習の機会を提供する、③労働市場に教養のある労働者を提供することを目的としている。フォルケホイスコーレと同様、学習スタイルやコース選択が自由だが、国が休職期間中の生活費を支援する制度が整っているのが特徴である。このように義務教育や高等教育を受けていない成人を対象にしており、義務教育期間の教育を補完することはもちろん、新たな分野の知識を習得できる。更にはキャリアアドバイザーのサポートにより、職業訓練や就労訓練を受けることが可能である。
リカレント教育は、生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げる
リカレント教育は、生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることはもちろん、自身の市場価値を上げることにもつながる。日々変化する社会で生きるためには、リカレント教育の視座が重要になる。今回取り上げた政府の支援制度等や北欧の事例を活用しながら、学びをアップデートしてみてはいかがだろうか。
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【参照サイト】 厚生労働省「リカレント教育」
【参照サイト】 リカレント教育発祥の地・スウェーデンに学ぶ
【参照サイト】 International People’s College
【参照サイト】 Multi adult education






