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人工光合成とは・意味

水素エネルギー

Silo and train

人工光合成とは?

人工光合成(Artificial photosynthesis)とは、太陽エネルギーを活用してCO2と水を原材料として化学品を合成し、酸素を排出する技術である。文字通り、植物が行う光合成を模した技術で、太陽電池、バイオマス、太陽熱利用に続く第4の太陽エネルギー活用法と言われている。

脱炭素だけではない人工光合成

人工光合成の研究は50年以上前に遡るが、気候変動への対処が世界共通の課題となる中で、脱炭素社会実現のキーとなるテクノロジーとして期待されている。さらに、人工光合成への注目が高まっている訳は、脱炭素に加えて水素エネルギーが生成されるからだ。

CO2を発生しない次世代エネルギーと言われている水素であるが、そのすべてが真のクリーンエネルギーと呼べるわけではない。いわゆるグレー水素は、化石燃料の改質によって生成される際にCO2を排出する。そのため、風力や太陽光など再生エネルギーを用いた電気分解により生成されるグリーン水素の実用化に向けた取り組みが国内外で進められている。

このようなグリーン水素であるが、次世代エネルギーとしての可能性に疑問を呈する声もある。その主な理由は、「電力→水素→燃焼」または「電力→水素→燃料電池→電力」という過程で生じるロスである。燃料電池経由で電気を用いる場合、元のエネルギーの64%が喪失されるという。さらに、水素を運ぶには液体化する必要があり輸送コストもかかる。こうしたことが、EV(電気自動車)に対してFCV(燃料電池自動車)の普及が大きく立ち遅れている理由だ。

人工光合成は、光触媒の作用により太陽エネルギーから水を分解して水素を生成するため、こうしたエネルギーロスの問題は生じない。これが、人工光合成が注目される理由だ。2021年8月に、NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)を中心とする研究グループが、100㎡規模の人工光合成パネルを使って水素を製造する実証実験に世界で初めて成功している。

高エネルギー効率を実現する光触媒の開発がカギ

人工光合成実用化のカギとなるのは光触媒だ。先に述べた水素製造実証実験には紫外光(いわゆる紫外線)に反応する光触媒を使ったパネルが使われており、そのエネルギー変換効率は最大0.76%。人工光合成の実用化には5~10%程度のエネルギー変換効率が必要だが、そのために太陽光の大部分を占める可視光に反応する光触媒の開発が急がれている。

国内の研究開発をリードするARPChemは、人工光合成によりプラスチック原料となるオレフィンが合成される点に着目し、化学工業自体の脱炭素化の実現を目指すという。第4の太陽エネルギーの活用法の人工光合成、私たちの未来を変える潜在的可能性はNo.1かもしれない。

【関連記事】韓国の上空に現れる「人工光合成」建築、まちのCO2削減へ
【関連記事】グリーン水素とは・意味 
【参照サイト】人工光合成とは?(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
【参照サイト】太陽とCO2で化学品をつくる「人工光合成」、今どこまで進んでる?(経済産業省 資源エネルギー庁)
【参照サイト】水素・アンモニア燃焼へのダメ押し




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