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ISSBとは・意味

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ISSBとは?

ISSBとは「International Sustainability Standard Board」の略であり、日本語では「国際サステナビリティ基準審議会」と訳されている。ISSBは、国際会計基準(IFRS)の策定を担うIFRS財団により2021年11月に新たに設立された団体であり、サステナビリティに関する国際的な開示基準を策定することを目的としている。2021年11月の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に合わせて設立が発表された。

ISSBは、2022年6月までに、気候変動開示基準委員会(CDSB)及び価値報告財団 (VRF)(※)を統合する予定であり、2022年3月には、GRIとの協力が発表された。この動向はサステナビリティ情報の開示基準の統一化を大きく前進させる動きとして注目されており、アルファベットスープと呼ばれる状況が改善することが期待されている。

IIRCSASBが合併し、2021年6月に新たに設立した団体

ISSBの組織概要

2021年12月には、ISSB初代議長として元ダノンCEOであるエマニュエル・ファベール氏が任命され、2022年1月には、副議長にIASB(国際会計基準審議会)のスー・ロイド氏、ISSB議長の特別顧問にVRFのCEOであるジャニーン・ギヨー氏の任命が発表された。他のボード・メンバーについては、2022年5月初旬時点では未だ発表されていない。

議長や役員のオフィスはフランクフルトに置かれ、カナダのモントリオールにも拠点が設置されている。アジア・オセアニア地域の拠点設置についても議論が進んでいる。

ISSBによるサステナビリティ基準策定の動向

2021年3月にはISSB設立に先駆けて、TCFD、VRF、CDSB、WEF(世界経済フォーラム)をメンバーとする技術的準備ワーキンググループTRWG(Technical Readiness Working Group)が設立され、GRI、CDPとも連携のうえ、技術的提案を実施してきた。

TRWGは、2021年11月に「サステナビリティ関連開示一般要求事項」と「気候関連開示」に関する2つのプロトタイプを発行した。ISSBは、これらのプロトタイプに基づき、開示基準の策定を進めており、2022年3月には開示基準の公開草案(Exposure Draft)が発表された。公開草案はTCFDの提言や、SASB基準を取り入れた内容となっており、7月末まで意見募集が行われている。

これらの公開草案はどのような内容となっているのだろうか。以下がその概要である。

サステナビリティ関連開示一般要求事項

企業がサステナビリティ情報を開示するための基本的な方法、内容、考え方を示しており、
企業価値評価に影響を与える重要なサステナビリティ関連財務情報の開示を企業に求めることを目的としている。

主要な内容はTCFD提言と同様に、「ガバナンス」「戦略」「リスク・マネジメント」「指標と目標」という4つの項目で構成されている。

また、全般的な事項として、サステナビリティ関連情報は企業の一般的な財務報告と同じ主体で開示することが前提とされており、サステナビリティ関連のリスク・機会と一般的な財務情報との関連性が重視されている。

また、サステナビリティ関連の財務情報はその情報の省略、虚偽記載または不明瞭化が一般的な財務報告の利用者の意思決定に影響を及ぼすと合理的に予想される場合においてマテリアルであるとされているほか、開示される指標については、前期との比較情報を開示すること等が提案されている。

公開草案の構成

公開草案の構成   出典:[Draft] IFRS S1 General Requirements for Disclosure of Sustainability-related Financial Information

気候関連開示

気候関連の物理的リスク・移行リスク・機会について、TCFD提言と同様の4つの項目で開示が提案されているが、TCFD提言よりも具体的かつ詳細な開示を求める内容となっている。また、業種ごとに個別の要求事項を定め、定量的な指標や定性的な情報など、多岐にわたる開示を求める内容となっている。

業種は、SASBの「持続可能な工業分類体系 Sustainable Industry Classification System」(SICS)に基づいて分類されていることが特徴となっており、以下は「農業プロダクト」セクターの事例である。

「農業プロダクト」セクターのサステナビリティ開示トピックスと指標(抜粋)

「農業プロダクト」セクターのサステナビリティ開示トピックスと指標(抜粋)  出典:[Draft] IFRS S2 Climate-related Disclosures Appendix B Industry-based disclosure requirements Volume B20—Agricultural Products

今後の動向

上記のように、ISSBによるサステナビリティ情報に関する国際的な開示基準策定が進んでおり、2022年末には正式な基準が策定される予定である。

ISSBによって策定された基準に基づき、今後各国がそれぞれの政策の優先順位に基づいて、より広範な要求事項や特定の開示の要求事項が追加されていく予定であり、実際にISSBの開示基準に沿った企業の開示が始まるのは2023年か2024年ごろになると見込まれている。日本においても金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」において議論が進められており、同審議会での議論内容も注目される。

【参照サイト】International Sustainability Standards Board
【参照サイト】[Draft] IFRS S1 General Requirements for Disclosure of Sustainability-related Financial Information
【参照サイト】[Draft] IFRS S2 Climate-related Disclosures
【参照サイト】[Draft] IFRS S2 Climate-related Disclosures Appendix B Industry-based disclosure requirements Volume B20—Agricultural Products
【参照サイト】気候リスクの開示基準、業種別に定量化 投資判断に活用




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