ダークツーリズムとは?
ダークツーリズム(Dark Tourism)とは、死・暴力・苦しみなど人々を襲った不幸や悲劇にまつわる場所を訪れること。戦争や紛争跡地、自然災害の被災地、事故跡地、監獄、墓地、ホロコースト跡地等がその例だ。
イギリスの研究者である、ジョン・レノン(John Lennon)氏とマルコム・フォーリー(Malcom Foley)氏により提唱された、ダークツーリズム。通常「観光」というと、娯楽やリフレッシュを目的とした、その土地の「光」の側面を楽しむ旅行を連想させることが多い。一方、戦争や災害といった「影」の歴史に焦点を当て、悲しみや痛みの記憶を学ぶことを目的とした観光が、ダークツーリズムである。
なぜダークツーリズムなのか
ダークツーリズムの目的は、場所や訪問客により様々だ。
- 悲劇の記憶の風化を防ぐ
- 犠牲者、被害者の追悼
- 追体験を通し、悲しみや痛みの感情を共有する
- 歴史を学び、同じ過ちを繰り返すことを防ぐ
- 娯楽だけでなく、地域の歴史や文化を様々な観点から学ぶ
- 観光を通じて経済的に支援する
日本と世界のダークツーリズム
日本及び世界各地に、ダークツーリズムの場所はある。以下はその一例である。
- 広島の原爆ドーム(日本)
- 網走刑務所(日本)
- アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所(ポーランド)
- オーストラリアの囚人遺跡群(オーストラリア)
- チェルノブイリ原発事故跡地(ウクライナ)
- グラウンドゼロ、9/11メモリアルミュージアム(アメリカ)
- ムランビ虐殺記念館(ルワンダ)
- トゥールスレン虐殺博物館(カンボジア)
ダークツーリズムの課題
娯楽としての観光と比べて、痛みや苦しみの記憶を伴う分、ダークツーリズムには様々な配慮が求められる。
- 地域住民や関係者の感情への配慮
- 権力者や多数派にとって隠したい歴史や事実を、あえて表に出し、形に残すための努力
- 娯楽とダークツーリズムと組み合わせるなど、観光客の来訪ハードルを下げる工夫
- 事前知識を持たない観光客でも、本質を理解しやすくする工夫
まとめ
娯楽としてではなく、あえて「影」の側面に焦点を当て、痛みや苦しみを伴う学びの場であるダークツーリズム。戦争、虐殺、事故など、人工的・人為的に起きた悲劇を繰り返さないためには、歴史を風化させず次世代につないでいくことが必要だ。観光客側、また観光客を受け入れる側、両者にとって必ずしも容易ではなく、痛みや摩擦を伴う場合もある。地域住民や関係者の理解と協力を得ながら、ダークツーリズムの仕組みを整えていくことが求められる。
【参照サイト】ダークツーリズム(JTB総合研究所)
【参照サイト】世界で注目「ダークツーリズム」 取り入れ方を知り、いつもとちょっとちがう旅に(Globe+)
【参照サイト】Dark Tourism: Concepts, Typologies and Sites(Journal of Tourism Research & Hospitality)
【参照サイト】Beaches? Cruises? ‘Dark’ Tourists Prefer the Gloomy and Macabre(New York Times)
【参照サイト】Dark Tourism – 7 Dark Tourism Destinations Around the World Where You Can Find Thrill in the ‘Dark Side’(Holidify)







