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インクルーシブビジネスとは・意味

インクルーシブビジネス

インクルーシブビジネスとは?

インクルーシブビジネスは、ビジネスのバリューチェーンの中に人々を含めていくという考え方で、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が初めに提唱したとされる。潤沢な予算を持った富裕層にばかり目を向けるのではなく、経済ピラミッドの下層部(BOP)である開発途上国の低所得者層も消費者、顧客、事業者として取り込みつつ、社会の発展や問題解決を図る。

「インクルーシブ(包含する)」とつけるのは、社会や経済で、取り残されている人々が多く存在し、それが貧困層をつくり出しているからだ。これらの人々は、低所得で、商品、サービス、経済的な機会へのアクセスを限定されている。一部の人々が爪はじきにされた社会は、健全性を損ない、やがて歪みが生じて、持続可能な経済開発を行うことは出来なくなる。

国連は、多くの企業と共にインクルーシブ・ビジネスを支援するBCtA(Business Call to Action)という取り組みを行っている。またUNDP(国連開発計画)は、GIM(The Growing Inclusive Markets)という調査研究・アドボカシーを行っている。世界銀行グループのIFC(国際金融公社)は、途上国の民間セクターに対して、資金提供を行う。

約40億人のBOP層。支援対象ではなく巨大な市場として捉える

BOP層は世界に約40億人存在するといわれる。単なる支援や慈善事業の対象として見るのではなく、市場としてとらえて、経済の仕組みの一部として組み込み活性化していく。その方法の一つは、財政的な支援だけではなく、技術育成を行うことにより効果が増大させ、人々を経済的に自立させるというものだ。

事業の例は多肢に及ぶが、たとえば交通インフラ整備が遅れており車が入れず、大規模な流通網から取り残された地域で、地元の起業家が地道に小規模の流通網を開拓するといったものもある。

商品販売においては、手持ちのお金があまりない人々でも購入がしやすいように、一つひとつを小分けにし、低価格にする。また支払い能力に応じて、価格が変動するということも行われる。

バングラデシュのグラミン銀行に代表されるマイクロクレジットでは、通常の商業銀行ではお金を借りることが出来ない経済弱者であっても小額のローンを組むことが出来て、深刻な貧困を脱却し自立を促す一助となっている。

社会から取り残された人々は、世の中に不信感を抱いていることもあるため、事業を展開する上で、信頼関係の構築が成功のカギを握る。




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