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フレンド・ショアリングとは・意味

フレンド・ショアリング

フレンド・ショアリングとは?

フレンド・ショアリング(friend-shoring)とは、ある国が同盟国や友好国など近しい関係にある国に限定したサプライチェーンを構築することを意味する。この概念は、2016年ごろよりアメリカと中国の間に生じている貿易摩擦を背景に、アメリカが自国の経済安全保障を目的として始めたサプライチェーンの強化体制を指すものとして登場した。

直近では、コロナ禍による物流の停滞やロシアのウクライナ侵攻による小麦やエネルギー供給の危機などもあり、アメリカだけではなく様々な国がサプライチェーンの見直しを迫られている。そして、同志国との安全で信頼できる関係をより重視していこうというフレンド・ショアリングの動きも拡がりつつあるのだ。

フレンド・ショアリングを推進する取り組み

フレンド・ショアリングを推進する取り組みは、アメリカを中心としてすでに始まっている。

アメリカのバイデン政権は、経済安全保障の確保を目的として欧州(EU)との間に「貿易・技術協議会(TTC:Trade and Technology Council)を設立した。2022年5月に開催された会合では、半導体やレアアースなどの重要物資に関する米・欧州間のサプライチェーン強化のために協力することや、サプライチェーンの透明性向上について合意がなされている。

また、2021年の東アジアサミットでバイデン大統領によって構想が明らかにされた「繁栄のためのインド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity、以下IPEF)」も、フレンド・ショアリング・アプローチの1つとして位置づけられている。IPEFは、トランプ前政権が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を脱退したことにより失った、アメリカのインド太平洋地域における経済的関与をカバーするための手段だと捉えられている。

これらの取り組みは、まだフレンド・ショアリング構築に向けた土台づくりという段階にあり、今後どのように制度が構築・運用されていくかは未知数だ。

フレンド・ショアリングの課題

フレンド・ショアリングを推し進めることで、自国の貿易利益が安定し経済の安全保障に繋がるというメリットがある。

世界中で起こる災害や戦争、感染症の拡大などの危機への対応力もいくらか増すだろう。また、同志国と位置付ける国々との関係がより強固となり、互いの利益拡大に貢献し合える可能性もある。

しかし一方で、「同志国とは見なさない」国々との間の分断はますます進行することになる。

特にフレンド・ショアリングを進める中でサプライチェーンの強化対象となるものは、半導体やレアアースといった世界各国が重要視する物資である。各国の連携なしには需要と供給のバランスが崩れて市場に悪影響を与えるおそれもあり、今後どれだけの国や地域が緊密に協力し合えるかなど課題は多い。

日本も直近の世界情勢の変化による影響を大きく受けており、多くの企業がビジネスモデルの変革やサプライチェーンの再構築を迫られている。世界のトレンドに乗り遅れないようアンテナを張るとともに、長期的な利益の拡大を念頭に入れた体制の構築を進めていく必要があるだろう。

【参照サイト】米国のインド太平洋経済戦略 – みずほリサーチ&テクノロジーズ
【参照サイト】米供給網強化策がもたらすアジア新興国への影響 – 日本総研
【参照サイト】バイデン政権下、復活する米国の産業政策 – 米州住友商事ワシントン事務所調査部長 渡辺亮司




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