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マンスプレイニングとは・意味

マンスプレイニング

マンスプレイニングとは?

マンスプレイニング(Mansplaining)は、主に男性が(相手を無知と決めつけて)何かを解説したり、知識をひけらかしたりすることを指す言葉。「man(男性)」と「explaining(説明・解説する)」をかけあわせた用語である。この言葉はSNSを中心に徐々に広がり続け、2010年にはニューヨークの「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、2018年には辞書最大手のオックスフォード英語辞典にも掲載された。

主に女性や子ども、年下の男性に対し、上司や年上の男性、友人、街で出会ったばかりの人、はたまた顔も知らないSNS上の匿名のメッセージで、マンスプレイニングは行われる。

たとえば、「車やバイクが好きなんて、女性にしては感心だ。教えてやろう」という態度で、ショップにいる誰かに自分の知っている知識を話す。美術鑑賞をしている若い女性に、聞かれてもいないのに絵画の解説をする。女性の特定のツイートに、何かを知らないと決めつけたうえで、上から目線のリプライをしてしまう。これらはすべて、見方によってはマンスプレイニングにあたる。

米国の政治や人権問題に取り組む著作家レベッカ・ソルニット氏は、「ロサンゼルス・タイムズ」が運営するサイトで2008年に発表されたエッセイ『説教したがる男たち』の中で、男性が女性に対して何か得意げに解説する現象は、特に女性ならみんな知っていることだと述べた。

マンスプレイニングは何が問題なのか?


人に解説や説明をする行為自体は、悪いことではない。「マンスプレイニング」と呼ばれて問題視される理由は、それが「相手の女性は、(年上であり男性である)私よりも物を知らないだろう」という思い込みから見下すように行うことであり、無意識の偏見から来る言動になりがちだからである。

一つの事象に対して、もしかしたら自分よりも相手の方がずっと詳しいのかもしれない。しかし無意識にでも「若いのにすごい」「女性なのにやるなぁ」「学がなさそうなのに意外と知りたがっている」などという気持ちを持って接してしまうことで、ふとした瞬間にそれが言動に表れ、相手をうんざりさせたり、尊厳を傷つけたりする。先述のソルニット氏は、一部の男性に見られるこの行動は、自信過剰と無知が合わさった心理から来ていると話す。

実際のマンスプレイニングの事例に関しては、ツイッターで投稿されたこちらのスレッドが興味深い。「今まで一番イライラしたマンスプレイニングは?」という問いかけに対し、「子供がいたこともないのに、妊娠について説教をしてきた」「頼んでもいないのにSNSアカウントの運用について助言してきた」など、多くの人の体験が集まっている。

マンスプレイニングをしないためには

さまざまな場面で、性差別に関する言葉として使われるマンスプレイニング。自分が当たり前のようにしていた行動がマンスプレイニングだったかもしれないし、過去に自分も年上からされた経験がある、と思う人もいるかもしれない。

大切なことは、目の前の相手を属性によって「無知」だと安易に判断しないことだ。話しかけたときに、相手が嫌そうにしていなかったから、なんなら少し質問をしてきたから、と自分の話ばかりを続けて良いものでもない。ツイッターで集まった体験の多くは、「頼んでもいないのに助言されたこと」がポイントとなっている。

マンスプレイニングに限らず、他者の感じ方によって自分の行動が「差別的」に映ることはあり得る。そしてそれは、相手によっても反応が分かれるものなので難しい。他者とのコミュニケーションにおいて、尊重こそが大切だということを、忘れずにいたいところだ。




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