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エネルギーミックスとは・意味

電球と手

エネルギーミックスとは?

エネルギーミックスは、さまざまな発電方法を組み合わせて(ミックスして)社会に必要な電力を供給すること。「電源構成」や「ベストミックス」などと呼ばれる場合もある。

現在、火力や水力、原子力、再生可能エネルギーなど、さまざまな発電方法があり、それぞれ長所もあれば短所もある。ある特定のエネルギー源だけに依存すると、災害や国際情勢の変化(紛争など)、パンデミックなど何らかの理由でその発電ができなくなったときに、人々の生活に欠かせない電気が供給できなくなる。

▶ それぞれのエネルギー源比較はこちら: 再生可能エネルギーを巡る世界の潮流は?その種類とメリット・デメリット

そこで、先進諸国では基本的にいくつかの異なる電源を組み合わせて電力の安定供給を図っている。これがエネルギーミックスを行う理由だ。

日本のエネルギーミックスの推移

日本の2010年におけるエネルギーミックスの内訳は、石油、石炭などを合わせた火力発電が66%、原子力発電が25%、再生可能エネルギーが9%となっていた。しかし、2011年の福島第一原子力発電所の事故により、2012年には原子力発電が2%となり、このバランスが大きく崩れた。

2019年には火力発電が76%、原子力発電が6%、再生可能エネルギーが18%に推移。日本が今後目指していく姿については、2021年10月に経済産業省より発表された「第6次エネルギー基本計画」を見ていこう。

Image via 経済産業省 資源エネルギー庁

Image via 経済産業省 資源エネルギー庁

「2030年度のエネルギーミックス」では、主に火力発電の再生可能エネルギーの割合が変化した。原子力発電の割合は維持するものの、再生可能エネルギーを18%程度から約2倍程度の36〜38%に引き上げ、主力であった火力発電を76%から41%へと大きく減らす。また、新たに発表された電源構成では「水素・アンモニア発電」も、1%を占めるように目標を設定するという。

特に、産業・業務部門のエネルギー消費効率の改善はまず取り組むべき課題として挙げられており、政府は、省エネ設備投資を行うとしている。また、2022年4月に導入されたFIP制度(※1)などの入札制度を使い、再エネの市場への統合などをはかることで、国民負担を減らしていくという。

エネルギーミックスの最適化

エネルギーミックスの最適化のために、日本では次の3つの観点に加え、安全性(Safety)が重視され、その頭文字を取って「3E+S」と表現される。

  • 経済性(Economy):発電コストが安い「ベースロード電源」の比率
  • 環境性(Environment):CO2を排出しない「ゼロエミッション電源」の比率
  • 供給安定性(Energy Security):エネルギーの自給率に基づく「セキュリティー電源」の比率

たとえば、化石燃料を用いた火力発電は、基本的には安定的に、低コストで大量に発電できる点が経済性を満たしている。しかし、脱炭素が求められる今、CO2排出量の多い火力発電は環境性を満たしておらず、その比率は徐々に減らしていくことが求められている。また、日本はほとんどの化石燃料を輸入に頼っており、国際情勢により供給量が左右される可能性があり、有事のときには供給の安定性を欠いているとも言える。

一方、原子力発電は少ない燃料で長期間大量の電気を安定的に作ることができ、発電時にCO2も排出しないことが環境性を満たしているとも言えるが、3.11のような事故が一度起こると発電ができなくなるだけではなく、周辺地域に多大な被害をもたらすリスクを持つ点は安全性に大きな問題があると言える。

また、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは発電時にCO2を排出しないため近年環境性の側面で非常に注目されているが、その発電量は天候によって左右されるため、再生可能エネルギーだけで国の電力需要を満たすことは現時点では難しく、経済性や安定性を改善する必要がある。

このように、それぞれの発電方法のメリット、デメリットを踏まえ、エネルギーミックスを作っていく必要がある。

各国のエネルギーミックス

では、海外の国々のエネルギーミックスはどうなっているのだろうか。いくつかの国々の比率を紹介しよう。

米国の2020年のエネルギーミックスは、火力発電が79%、原子力発電が9%、再生可能エネルギーが12%となっている。米国は日本と同じく、歴史的に石炭と石油を主なエネルギー源としてきたが、再生可能エネルギーの拡大により、この10年で石炭の消費量は減少している。

また、中国の2020年のエネルギーミックスも、火力発電が約85%、原子力発電が約2%、再生可能エネルギーが約13%程度となっており、化石燃料への依存度が高い。

一方、フランスは2022年現在、原子力発電が62%と最も高く、再生可能エネルギーが32%、火力発電が5%となっている。マクロン大統領は2018年に、2035年までにフランスの電源構成に占める原子力の割合を75%から50%にまで引き下げるという意向を表明していたが、脱炭素化の潮流や、天然ガス価格の高騰などの「エネルギー危機」を受け、従来の脱原発路線を大々的に転換し、原子力発電の割合を再び増やしていく方向となっている。

ドイツは2021年再生可能エネルギーの比率が40%を超えている。次いで火力発電が28%、原子力発電が11%程度を占めている。同国は日本の3.11を受け2022年末までの脱原発を宣言したため、その比率を徐々に減らし、逆に再生可能エネルギーの比率を大きく上げてきた。また、石炭火力発電は2038年までに廃止する方針を示している。

まとめ

各国のエネルギーミックスを見てみると、火力発電に依存している国もあれば、原子力発電の比率が高い国もあるなど、国の方針や地理的条件などによりさまざまだ。

日本は自国にエネルギー資源が乏しく、エネルギー自給率が13%程度と非常に低い。今後はこの比率を高めつつ、2050年のカーボンニュートラル達成に向けてエネルギーをどう供給していくのかに、引き続き注目していく必要がある。

【参照サイト】Energy mix(Our World in Data)
【参照サイト】第6次エネルギー基本計画
【参照サイト】新しくなった「エネルギー基本計画」、2050年に向けたエネルギー政策とは?
【参照サイト】France’s electric consumption data-eCO2mix
【関連記事】【2022年版】再生可能エネルギーを巡る世界の潮流は?その種類とメリット・デメリット
【関連記事】Z世代と考える、原子力発電と日本のエネルギー問題【Green Innovator Academy 福島原発フィールドワークレポート】




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