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水素経済とは・意味

水素経済とは?

現在の主なエネルギー源である石油や石炭などの化石燃料の代わりに、水素を利用したエネルギーを中心とする経済のこと。

日本政府は、水素社会実現に向けた計画を取りまとめた「水素基本戦略」を2017年に決定し、2018年にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と経済産業省は、第一回「水素閣僚会議」を東京で開催した。世界21カ国の閣僚が「水素社会の実現」をテーマに議論を行った同会議は、それ以降毎年開催されている。

水素の特徴

石油や石炭などの化石燃料は燃焼するとCO2が発生するが、水素は燃焼しても水を生成するのみで、CO2が発生しない。また、水素は一次エネルギー(化石燃料や水力など、自然界にあるエネルギー)を変換してつくることができる二次エネルギーであり、様々なエネルギー資源から製造可能、熱や電気として利用できるためエネルギー効率が高いのが特徴である。

水素経済の利点

水素経済の利点としては、以下の2点が挙げられる。

1. エネルギー安定供給に貢献

現在、日本のエネルギー自給率は6~7%と低く、化石燃料の多くを外国から輸入している。エネルギー資源と調達先の多様化が重要となる中、多様な原料から製造できる水素はエネルギーの安定供給に貢献する。

例えば、発電量が不安定な太陽光や風力などの国内の再生可能エネルギーや、海外の未利用エネルギー、再生可能エネルギーなどを有効利用して水素を製造・貯蔵することで、コストを抑えながらエネルギーを安定供給できるようになると考えられる。

2. CO2排出削減に貢献

水素は燃焼してもCO2を生成しないため、様々な部門での水素の活用がCO2排出削減につながることが期待される。

  • 運輸部門
  • 燃料電池自動車やバス、トラックなどがある。「水素基本戦略」において、2020年に全国で水素ステーション160カ所と水素燃料電池自動車4万台、2030年にはそれぞれ900カ所と80万台を目標としている。

  • 産業部門
  • 電化が難しい分野で燃料として利用したり、工業で使用されている化石燃料由来の水素をCO2フリー水素(水素製造の際にCO2を排出しない方法で作った水素)に置き換えたりすることでCO2排出削減に貢献する。

  • 発電部門
  • 政府は水素発電の実証実験などを行い、将来的に火力発電の代替とすることを目標としている。 家庭やビルの省エネを促すものとしては、都市ガスやLPガス(※1)から取り出した水素と空気中の酸素を使って電気をつくり、発電の際に生じた熱で湯をつくる家庭用燃料電池システム(エネファーム)があり、2030年までに350万台の導入が目標とされている。

家庭用・業務用・産業用燃料電池システム、および燃料電池自動車の導入、設備整備に対しては、国からの補助金制度がある。

水素経済の導入事例

日本および世界では、以下の事例をはじめとする、さまざまな水素・燃料電池の開発が行われている。

  • 2018年 神戸:市街地で、世界初となる水素100%による熱電供給が行われた。
  • 2018年 ドイツ:水素燃料電池で動く世界初の旅客電車が運行を開始。100kmの非電化区間を走行している。
  • 2019年 川崎重工:世界初となる液化水素運搬船の進水式を行った。液化水素を長距離海上輸送するために開発され、2020年にテストを行い、オーストラリアから液化水素を日本に輸送する予定。
  • 2020年3月 トヨタ自動車株式会社・日野自動車株式会社:燃料電池で動く大型トラックの共同開発と実用化に向けた取り組みを進めていくことを発表。トヨタは2020年1月に航続距離800kmの水素燃料自動車「Mirai」の第二世代を発表しており、同年2月には船舶向けの燃料電池システムを開発、フランスの船に搭載するなど、自動車以外の燃料電池システムの開発にも力を入れている。

水素経済実現への課題

燃料電池自動車やエネファームなどは、高価であることなどを理由に広範囲な普及には至っておらず、コスト軽減や水素ステーションの整備が必要である。また、国際的な水素のサプライチェーンや水素製造技術の確立、低コストで高効率な輸送などによる水素の大量供給も必須となる。

クリーンなエネルギー利用がますます求められる今、水素は地球にやさしいエネルギーとして社会に貢献する可能性を多く秘めているだろう。今後は水素経済について認識を共有するとともに、国際的に連携して技術開発を行っていくことが望まれる。

※1 都市ガスは、大半が、メタンを主な成分に持つ天然ガスや海外から輸入する液化天然ガスで、LPガスはプロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガスのこと

【参照サイト】ようこそ!水素社会へ
【参照サイト】水素基本戦略(概要)
【参照サイト】経産省が太陽光発電や風力発電の余剰電力で水素をつくるシステムを整備
【参照サイト】世界初、市街地で水素100%による熱電供給を達成
【参照サイト】Toyota advances towards a hydrogen mobility future with second generation Mirai
【参照サイト】世界初、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が進水

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