GLOSSARY

ブルーフードとは・意味

ブルーフードとは

淡水環境や海洋環境に由来する植物、動物、藻類などの食糧のこと。

ブルーフードには、人体にとって良いとされる栄養素が多く含まれるほか、陸上の動物由来の食よりも環境フットプリントが低く、持続可能な形で生産可能だという特徴がある。また、世界中のおよそ3200億人の人々のたんぱく源となり、特に地方の先住民コミュニティなどで8億人もの生活を支える食糧であるとされているほか、2050年までには現在の2倍以上の需要が見込まれている。

ブルーフードのもたらす効果

様々なポジティブな影響をもたらすブルーフード。その効果は、大きく「健康面」と「環境面」に分けられる。

1. 栄養素の高さ
Natureに掲載された論文によると、全ての評価対象栄養素(オメガ3脂肪酸、ビタミンA、ビタミンB12、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛)を平均した場合に、数種類の水生生物性食品の栄養価が、牛肉、羊肉、ヤギ肉、鶏肉、豚肉よりも高いとされている

2. 生産における環境負荷の低さ
同じくNatureに掲載されたJessica Gephartの論文は、世界の水生生物性食品の生産量のほぼ4分の3を占める23の水生生物性食品群を分析し、温室効果ガス排出量、窒素・リン汚染、淡水・土地の利用に関する標準化された推定結果を明らかにしている

特に、養殖の二枚貝(ハマグリやカキなど)と海藻類のパフォーマンスが最も優れており、採捕される二枚貝よりも排出量が少ないとされている。

ブルーフードの管理が重要視される背景

様々なポジティブな影響をもたらすブルーフードだが、一方で、その研究や評価はこれまで十分に行われてこなかった。そんななか、今ブルーフードは、人々の健康と食料生産の持続可能性の両方を向上させる可能性を秘めていると考えられ、その価値が見直されつつある。その背景には、上述のような健康、環境面でのメリットに加え、現在我々が直面する社会課題がある。

その一つが、過剰漁獲。世界的にみると、その割合は年々増加しており、現在では水産資源の34%もが持続可能な限界を超えて漁獲されている。加えて、世界人口の増加や気候変動による漁獲量の変化といった状況があることも、食糧の安定的な供給のために、持続可能なブルーフードの管理が求められる理由となっている。

そこで、重要となってくるのが、世界の天然漁業の持続可能な管理だ。すべての天然漁業が持続可能な方法によって行われた場合、年間の漁獲量は、1,600万トン増加するとされており、国際非営利団体MSC(海洋管理協議会)の分析によると、世界の7,200万人以上の人々のたんぱく質の需要を、これで補うことができるとされている。

さらに、2020年、専門家による国連世界食糧安全高等パネル委員会は、より多様、かつ、すべてのサプライチェーンにおいて持続可能性が追求された食糧システムへの移行を訴えており、そのカギを握る一つとしてブルーフードが注目されている。

ブルーフードに関する団体

Blue Food Assessment(ブルーフード・アセスメント)

持続可能な食料システムを構築するための国際的な共同イニシアチブであるブルーフード・アセスメントは、健康的で持続可能かつ公平なフードシステムの構築に水生生物性食品が果たす役割を探究している。同団体が国連のフードシステムサミットと共に発表した報告書では、世界規模の食に関する意見交換における水産物の重要性が指摘されている。

なかでも、特に下記の3点の重要性が指摘されている。

1. 食のシステムの意思決定の中心にブルーフードを据える
2. 栄養失調をなくすため、ブルーフードの可能性を追求する
3. 水産業における小規模のアクターの役割をサポートする

グローバルな食糧システムにブルーフードが貢献するために、ブルーフードが政府の意思決定に組み込まれる必要性が特に強調されている。

MSC(海洋管理協議会)

将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体。

本部をロンドンとし、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動している。MSCジャパンは2007年に設立され、MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は世界約100カ国で47,000品目以上、日本では約900品目が承認・登録されており、イオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、西友、ライフ、マクドナルドなどで販売されている。

MSCも先のブルーフードアセスメントの報告書などに共鳴し、「ブルーフードの供給を増やすには各国政府の協働が不可欠」という認識を示している。

まとめ

人口増加はもちろん、深刻化する気候変動やウクライナへの軍事侵攻など、様々な理由によって今、私たちは世界な食糧危機に直面している。そんな今、ブルーフードの価値を改めて見直し、適切に管理していく必要があるだろう。

【参照サイト】Aquatic foods to nourish nations
【参照サイト】The Vital Roles of Blue Foods in the Global Food System
【参照サイト】The vital roles of blue foods in the global food system

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