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ディーセント・ワークとは・意味

ワークライフ

ディーセント・ワークとは?

ディーセント・ワーク(decent work)とは、「働きがいのある人間らしい仕事」のこと。英語のdecentは「適正な」という意味。

この言葉が初めて用いられたのは1999年の第87回ILO(国際労働機関)総会であった。当時のソマビアILO事務局長は、同総会への報告のなかで「『働きがいのある人間らしい仕事』とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のこと」と述べた。これ以降、ディーセント・ワークの推進がILOの主要な活動目標となった。

その後、2008年のILO総会では、ディーセント・ワーク実現のための4つの戦略目標と、これらに共通する横断的目標としてジェンダー平等を採択した。

    1. 仕事の創出 – 必要な技能を身につけ、働いて生計が立てられるように、国や企業が仕事を作り出すことを支援
    2. 社会的保護の拡充 – 安全で健康的に働ける職場を確保し、生産性も向上するような環境の整備。社会保障の充実。
    3. 社会対話の推進 – 職場での問題や紛争を平和的に解決できるように、政・労・使の話し合いの促進。
    4. 仕事における権利の保障 – 不利な立場に置かれて働く人々をなくすため、労働者の権利の保障、尊重

SDGs目標の一つとしてのディーセント・ワーク

2015年に国連総会で採択されたSDGs17目標の一つに「目標8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する」が定められた。

この目標8には、同一労働同一賃金、強制労働の根絶、労働者の権利の保護や安全・安心な労働環境の促進など、ディーセント・ワーク実現のための取り組みが明記されている。

国内外で注目が高まる「ビジネスと人権」

こうした国際機関の取り組みが進むなか、近年、グローバル企業のサプライチェーンの人権問題など、「ビジネスと人権」への注目が国内外で急速に高まっている。

2011年に国連で決議された「ビジネスと人権に関する指導原則」は事実上の国際規範として位置づけられている。2017年のG20サミットでは同原則に基づく国別行動計画(NAP)の策定を参加国に求めた。日本も2020年10月にNAPを策定したが、企業に自主的な人権への取り組みを求めるにとどまっており、法制化が進む主要先進国と比べて対応の遅れが指摘されている。

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【参考サイト】ディーセント・ワーク (ILO駐日事務所) ILO駐日事務所
【参考サイト】目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する | ゴールとターゲット | SDGsとは | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン (ungcjn.org)  グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
【参考サイト】ビジネスと人権|外務省 (mofa.go.jp) 外務省
【参考サイト】「ビジネスと人権~日本企業への警鐘」(時論公論) | 時論公論 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室 日本放送協会(NHK)




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