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アクティブ・オーナーシップ(積極的株主行動)とは・意味

投資家

アクティブ・オーナーシップとは?

アクティブ・オーナーシップ(積極的株主行動)とは、株主としての権利を積極的に行使し、長期的なサステナビリティの課題に対して企業の行動に影響を与えるように、企業と関わりを持つこと。

具体的な2つの手法として、株主総会での議決権行使、そして投資先企業との議論・対話・関与を意味する「エンゲージメント」があり、株主が企業の運営に積極的に働きかけていくことをいう。

ESG投資におけるアクティブ・オーナーシップ

アクティブ・オーナーシップは、環境・社会・コーポレートガバナンスの3つを十分考慮している企業へ投資を行う「ESG投資」において、株主が企業のサステナブルな運営を促すひとつの手法としても使われる。

近年、株主が長期で株主としての価値を維持し、経済的なリターンを向上させるには、ESGの観点が欠かせないといわれる。しかし「サステナビリティを十分に考慮していない企業は投資先から外す」という選別だけでは、長期的な価値の創造や市場の成長に繋がらない。

そこでアクティブ・オーナーシップ活動によって積極的に投資先企業のESGを高めていくことが、株主、投資先企業、環境、社会にとって長期的に持続可能な価値をもたらすと考えられている。

アクティブオーナーシップ2つの手法

アクティブオーナーシップの手法はさまざまだが、大きく以下の2つが挙げられる。

議決権行使

株主総会において株主が戦略的に議決権を行使し、自らの立場を明確にして、企業行動に影響を与えようとすること。企業にプレッシャーを与えたり、変化を促したりと積極的に行動することから、議決権行使の手法はアクティビズムと呼ばれることもある。ただし、議案に対して賛否を表明するだけでなく、以下に挙げるエンゲージメントを併せて行うことが重要だといわれる。

エンゲージメント

エンゲージメントとは英語で「契約、約束」などの様々なつながりを意味する言葉だが、投資の分野においては「対話、関与」を意味する。企業の運営方針を確認し、企業価値を高める提案や議論を積極的に行うことをいう。ESG投資でいえば、企業がサステナビリティに対しどのような方針で、どのように行動しているかを監視し、ESGを高めるための対話、議論を進める。

ESG投資とともに活性化するアクティブ・オーナーシップ

アクティブ・オーナーシップの活動はESG投資の広がりに伴い、年々活性化している。

世界最大級の資産運用会社LGIM(Legal&General Investment Management)は、「アクティブ・オーナーシップ・レポート2020」において、企業とのエンゲージメントが前年比で21%増加したことを発表した。とくに気候変動関連のエンゲージメントは、前年比63%と大幅に増加したという。

また、アクサ・グループが運営する資産運用部門アクサIMが発表した「2020年アクティブ・オーナーシップ・スチュワードシップ報告書」では、2020年にエンゲージメントを実施した投資先企業は319社にのぼり、前年の数217社を大きく上回ったと発表された。

またそのうちの80%以上が、気候変動や資源、エコシステム、ジェンダー平等などSDGsに関連づけられるものだったという。

ESG投資が世界的に広がってきているものの、長期的なリターンやパフォーマンスについてはまだまだデータ不足の面も多く、アクティブ・オーナーシップの活動についても発展途上だ。

だからこそ株主がより積極的に行動し、投資先企業との建設的な関係を築こうと働きかけることがこれからのより良い変化には欠かせない。

【参考資料】PRI「責任投資とはなにか?」
【参照サイト】経済産業省「サステナブルな企業価値創造に 向けた対話の実質化検討会 中間取りまとめについて」
【参照サイト】LGIM「責任投資」




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