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ジニ係数とは・意味

ジニ係数

ジニ係数とは?

各世帯の所得格差を表す代表的な指標のこと。1936年にイタリアの統計学者コラド・ジニにより考案されたことから、考案者の名前を取ってこの名前がつけられた。

係数の値は0〜1で表され、1に近いほど所得格差が開いていることを示す。「0」は所得格差がなく、全世帯に均等に分配されている状態。「1」は1つの世帯が所得を独占している状態だ。一般的に0.5を超えると所得格差がかなり高く、是正が必要とされている。

ジニ係数の種類

ジニ係数の数値は以下の3種類に分類される。

・当初所得ジニ係数:社会保険料や税金の控除、給付金の支給前の「当初所得」から算出される値。
・可処分所得ジニ係数:「当初所得-(社会保険料+税金)」から算出される値。
・再分配所得ジニ係数:「当初所得-(社会保険料+税金)+給付金」から算出される値。

当初所得ジニ係数より、可処分所得ジニ係数や再分配所得ジニ係数の値が小さければ、所得の再分配により格差が是正されていることを意味する。

日本の所得格差の現状

日本の当初ジニ係数は右肩上がりだが、再分配所得ジニ係数は横ばいで推移している。

1999年:当初ジニ係数 0.4720 / 再分配所得ジニ係数 0.3814
2008年:当初ジニ係数 0.5318 / 再分配所得ジニ係数 0.3758
2017年:当初ジニ係数 0.5594 / 再分配所得ジニ係数 0.3721

当初ジニ係数は2005年以降0.5を超えているが、社会保障制度などが再分配機能を発揮しているため、格差が是正されていることが数値より読み取れる。格差の拡大を抑えられている一方で、努力して収入を得ても、手元に残るお金の割合が少なくなっているという見方もできるだろう。

世界との比較

世界的に見て、日本の所得格差はどの程度なのだろうか。2017年時点の可処分所得ジニ係数は以下の通りだ。

南アメリカ 0.618
メキシコ 0.418
アメリカ 0.395
イギリス 0.366
韓国 0.345
日本 0.334
スイス 0.311
フランス 0.292
ドイツ 0.289
フィンランド 0.269
ノルウェー 0.261
スロバキア 0.222

2017年の可処分ジニ係数のOECD平均は0.318。日本は平均値よりやや高い、つまり格差が大きいことを意味する。しかし所得格差に対する懸念は72%と、OECD平均の78%よりわずかに低くなっている。

日本では、人生を好転するためには、自分でコントロールできない要因(親の出自など)よりも、勤勉であることの方が大事と認識されているという調査結果が出ている。所得格差が大きく、世代を超えて貧困のループから抜け出すことができず、一生懸命に働いても人生が好転しないと考えられている場合は、不平等は大きくなるのだ。

格差問題とSDGs

2015年の国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標の中には、「貧困をなくそう」や「人や国の不平等をなくそう」といった所得格差に関するものが含まれている。SDGsは国連加盟の193ヶ国が2016年〜2030年の間に達成することを目標に掲げており、世界中が注目しているトピックだ。
目標達成に向けた努力が国内間の格差のみならず、国家間の格差を埋めるきっかけになると良いだろう。

【参照サイト】内閣府 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題
【参照サイト】厚生労働省 所得再分配調査
【参照サイト】OECD Income inequality
【参照サイト】OECD ”Does Inequality Matter?”
【参照サイト】外務省 JAPAN SDGs Action Platform




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