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ウォーターフットプリントとは・意味

ウォーターフットプリント

ウォーターフットプリントとは?

ウォーターフットプリント(Water footprint)、直訳すると「水の足跡」とは一体何なのか。これは、商品・製品の生産から消費、そして廃棄の過程で消費される水の量を定量的に測定する指標のこと。簡単にいうと、私たちの日常にある一つの食料や衣服をつくるのに、どれだけの量の水が、どのように使われたのか(蒸発したのか、汚染されたのか)といった情報を示すものである。

いま、世界中では水不足や水質汚染による生態系変化など、さまざまな環境問題が発生している。ウォーターフットプリントは、それぞれの商品やサービスの持つ環境インパクトを測定することで、環境汚染を減らすような改善策を打つための基礎となる情報だ。

私たちの着ている服や、使っているスマートフォンの製造にはどれだけの水が使われているか、あるいはどれだけの水を汚染しているのか。まずこれを把握することが、企業の持続可能な水利用につながるのである。2020年にはISO(国際標準化機構)がウォーターフットプリントの国際規格(ISO 14046:2014)を定めた。

同じように、ヒトの活動で出る温室効果ガスを数値化したものを「カーボンフットプリント」、環境に与える負担を数値化したものを「エコロジカルフットプリント」と呼ぶ。

公平な水の使用を推進するグローバル・ネットワークのWater Footprint Networkは、ウォーターフットプリントを以下の三つに分類している。

  • ブルー・ウォーターフットプリント:表流水(河川)や地下水が消費された量。ここで、消費には、作物・製品に取り込まれるだけでなく、取水地点に水が戻ってこなかった場合を含む
  • グリーン・ウォーターフットプリント:雨水のうち、作物に取り込まれた量、及び、土壌中に水分として蓄えられた量。
  • グレー・ウォーターフットプリント:水の汚染量を示す資料で、環境水質基準に基づいて汚染物質を希釈するのに必要な水の量

GECより引用

バーチャルウォーターとの違い

ウォーターフットプリントとよく似た概念と言われるのが、「バーチャルウォーター(仮想水)」だ。バーチャルウォーターとは、食料を輸入し消費している国において、輸入した食料を自国で生産すると仮定したときに必要と推定される水のこと。これは、純粋に商品・製品をつくるのに必要な水の量をはかるものである。

一方でウォーターフットプリントは、水の量だけでなく、水源や使われたタイミング、使われ方など包括的に計算する、という違いがある。しかも、ウォーターフットプリントではかるものは食料に限らない。ウォーターフットプリントを考えるときの要素の一つに、バーチャルウォーターがあると認識するとわかりやすいだろう。

ウォーターフットプリントの算出について

では、ウォーターフットプリントはどのように計算されるのか。日本ではこれまで算出した企業の事例が少なかったのだが、2014年には環境省が「ウォーターフットプリント算出事例集」を発表した。

この資料によれば、主要な算出方法としては「インベントリ分析」があげられる。これは、特定プロセスにおける水利用による水質や水量の変化の量(インベントリデータ)を取得し、分析するものだ。また、産業連関分析法を用いて河川水や地下水、雨水、回収水の水使用量・消費量を計算している。

事例としては、食物であればうるち米やピーマン、豚肉、調理済みの肉じゃが、工業製品であれば給食用食器や事務服(ベスト)、シャンプーなど具体的なものがあげられ、原料生産から製造、消費、廃棄までのライフサイクルを整理し、各プロセスの水の使用量を計算している。

【参照サイト】Water footprint network
【参照サイト】ウォーターフットプリント算出事例集




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