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コミュニティ・ツーリズムとは・意味

旅行をする女性

コミュニティ・ツーリズムとは?

コミュニティ・ツーリズムとは、地域コミュニティが主体となり、地域の歴史や文化、産業、暮らしなどを守りながら、それらを観光コンテンツとしてもアピールし、地域の活性化を目指すツーリズム形態のことをいう。海外ではオーバーツーリズムの緩和にもつながると考えられており、持続可能な旅として近年注目を集めている。CBT(Community Based Tourism)とも呼ばれる。

従来のマスツーリズムの問題点とコミュニティ・ツーリズムの広がり

従来の大量消費型マスツーリズムでは、地域コミュニティの役割は、ほぼ無いに等しい。マスツーリズムでは地域コミュニティのニーズよりも観光客のニーズを優先した観光開発が進められ、地域の環境破壊や観光資源への負の影響を生むことも多い。こうした訪問者の著しい増加が原因で観光地や観光客に負の影響を与えることをオーバーツーリズムと呼び、これにより地域住民と観光業との間に軋轢が生じることも少なくない。

一方、コミュニティ・ツーリズムでは、地域コミュニティが主体的・自律的に観光開発を行うことを前提とする。個別の地域コミュニティのニーズが優先され、必ずしも利潤の最大化を目指さず、緩やか且つ継続的な観光開発が目指されている。

コミュニティ・ツーリズムは、海外では1990年代中頃、南米やアジア・アフリカ等の旧植民地諸国から広がり、現在は世界各地に300例以上が存在する。例えば、タイ、タンザニア、ブラジルなどにおいては特に活発な取り組みがなされている。

日本国内では、1990年代後半、広島県尾道市などから広がり、現在は全国各地に少なくとも数十以上の事例が存在する。

コミュニティ・ツーリズムのメリット

コミュニティ・ツーリズムのメリットは、以下の通りだ。

  • 地域経済
    雇用機会を創出し、地域経済に貢献する。
  • 共有価値
    宿泊施設を提供する住民、食事を提供する住民、ガイドをする住人と、地域に暮らす人々に利益が分布する。
  • 社会的価値
    海外からの観光客による住民へのスキルトレーニングや、インフラのナレッジ共有、ひいては住民の自信へもつながる。
  • 環境
    大規模な開発を入れずにコミュニティを基盤とした観光を提供するため、環境を保全しつつ観光を促進できる。
  • 女性活躍
    雇用機会が創出され、女性のエンパワメントにもつながる。
  • 伝統保護
    若者の流出を防ぎ、伝統・コミュニティを継承できる。

コミュニティ・ツーリズムの事例

ここでは、国内外のコミュニティツーリズムの事例をいくつか紹介しよう。

沖縄県 国頭郡 東村

沖縄県黒糖郡の東村では、官民の間での緊密な連携や国内外でのコミュニティ・ツーリズムについての丁寧な情報収集を行い、地域の資源を活かしたマングローブのエコツアーや農家民泊の造成を行った。その結果、人口が2,000人の東村に2002年以降は毎年25万人以上の観光客が訪れるようになり、住民一人当たりの年間所得も、1996年から2013年の17年間で150万円から275万円と、1.8倍に増加した。

兵庫県 丹波篠山

兵庫県丹波篠山市を拠点とする、一般社団法人ノオトならびに株式会社NOTEは、古民家を活用した地域再生の活動NIPPONIA(ニッポニア)という取り組みを進めている。篠山の城下町には古民家が数多くあるため、それらをリノベーションし、宿泊施設としてオープンした。今後も古民家をリノベーションした宿泊施設をオープンさせながら、町内にあるショップやレストランなどの施設と連携することで、町全体がホテルとして機能する新しいスタイルの複合宿泊施設を目指している。

エクアドル チンボラソ県ラ・エスペランサ村

ラ・エスペランサ村は1998〜99年に訪れた金融危機によって深刻なダメージを受けた農村の1つである。地域経済は非常に不安定な状況に陥り、その結果、世帯主の多くが出稼ぎを余儀なくされた。そうしたなか、2002年の終わりからイタリアのNPOであるAYUDA directaが持続可能な開発プログラムを始め、2013年ごろからコミュニティ・ツーリズムが開始された。コミュニティ・ツーリズムから得た収入は、ラ・エスペランサ村を構成する約60世帯200人のコミュニティメンバーに分配される仕組みになっている。

まとめ

地方創生・地域活性のための観光開発を検討する上で、コミュニティ・ツーリズムは有効である。そして、コミュニティ・ツーリズムを成功させるためには官民から情報連携を受け、地域教育を進めることが重要となってくる。

withコロナの時代に観光に対する地域住民の意見は対立することが予想されるが、地域としてどうありたいか、地域教育を通して住民自らが主体的にありたい地域の理想像へ向けてコミュニティ・ツーリズムを進めることは、特に過疎化が進む地方にとっても有意義な議論となるだろう。

【参照サイト】Community-based tourism
【参照サイト】withコロナの観光業を救う10のキーワード vol.5 地域住民主体のコミュニティ・ツーリズム(後編)
【参照サイト】持続可能な地域主導型のコミュニティツーリズム
【参照サイト】地域の課題解決にビジネスチャンスがある
【関連記事】サステナブルツーリズムとは・意味
【関連記事】そろそろ旅に出たい。人と地球に優しい、サステナブルな観光のヒント




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