Browse By

エシカルバンク(ソーシャルバンク)とは・意味

エシカルバンク

エシカルバンクとは?

エシカルバンクとは、利用者から預かった資金を環境や社会に配慮したプロジェクトに融資・投資する金融機関のことである。ひたすらに利益を追求する従来の銀行とは異なり、サステナビリティを重視している点が特徴的だ。ドイツやオランダなど、欧州を中心に近年広がりを見せている。

英語ではソーシャルバンクと呼ばれることもある。ソーシャルバンクとは、今日および未来において人と地球の発展に寄与する金融機関と定義されている。エシカルバンクと完全な同義ではないものの、共通する方針が多い概念だ。ほかにも、オルタナティブバンク、サステナブルバンクといった呼び方もある。

エシカルバンクの定義は2つ。「すべての融資・投資先を公表していること」「それらの融資・投資先が軍事産業、原子力発電産業ではないこと」だ。透明性を確保することで、顧客からも信頼に足るかどうかが判断できるようになっており、グリーンウォッシュのように「私たちは環境にいい投資をしています」と発信するような形だけのエシカルバンクは生まれにくい。

欧州ではこのエシカルバンクに分類される銀行が複数ある。いくつかご紹介しよう。

  • オランダ:Triodos bank
  • ドイツ:GLS Bank、Ethik Bank、Umwelt Bank
  • デンマーク:Andelskassen Oikos、Arbejdernes Landsbank、Folkesparekassen、Ikano Bank
  • スペイン:Colonya Caixa Pollença、Caixa Ontinyent、Coop57、Fiare
  • イギリス:Charity Bank、Ecology Building Society、Unity Trust Bank

日本でエシカルバンクを選ぶには?

では、日本でもエシカルバンクを選ぶにはどうすればいいのだろうか。環境NGOである350.org Japanは、地球にやさしい銀行選びを促すキャンペーンサイトを立ち上げている。同サイトでは化石燃料や原発への投融資がないと確認された銀行を「クールバンク」と表現し、ネット銀行・地方銀行・労働金庫・信用金庫の4つのカテゴリーに分けて具体的な銀行を一覧にしている。

ただし「化石燃料や原発への投融資がない」という条件は、前述の定義のうち一部だけを満たすため、エシカルバンクであるとは断言できない。2024年現在、日本では2つの定義を満たしエシカルバンクであると公表する金融機関は見られないようだ。

環境、そして社会にとって良い金融機関を増やすには、私たち一般利用者も賢くならなくてはいけない。自分の預けているお金の行先を疑問に思い、知ったうえで、どこの銀行を利用するか考えてみる。そして、自分の理念に反する銀行にはお金を落とさない。そんな意識があってはじめて、エシカルバンクは生まれていくのだろう。

【参照サイト】Institute for Social Banking




用語の一覧

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行

ま行
や行
ら行
わ行
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
V
W
X
数字

FacebookTwitter