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カーボンハーフとは・意味

カーボンハーフ

カーボンハーフとは

カーボンハーフとは、2021年1月に東京都が表明した「2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する」という目標のことである。

気候変動による問題が深刻化していく中で、世界は2050年にCO2排出実質ゼロという共通目標に向かって取り組みを加速させている。2021年に開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締結国会議)では、初めて世界の気温上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが決定されるなど、世界中の国々の脱炭素化への意識がより高まっていることが伺える。

日本においても「2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける」という宣言のもと、新たな削減目標を反映したNDC(自国が定める貢献)を国連へ提出している。

2030年カーボンハーフ表明の背景

世界における大都市の一つである東京都では、気温上昇を1.5℃に抑え2050年までに「ゼロエミッション東京」を実現することを目的とし、2019年12月に「ゼロエミッション東京戦略」が策定・公表された。

しかしその後、世界は新型コロナウイルスの蔓延という未曽有の事態に陥った。社会経済が大きなダメージを受けたことや人々の生活様式の変化などを受けて、2021年に「ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Report」が改めて策定されたのだ。

その中では、コロナ禍からの持続可能な回復(サステナブル・リカバリー)の視点に立ち、感染症の脅威および一層深刻化する気候危機に立ち向かう行動の加速を目指す考え方が示されている。

さらに2050年CO2排出実質ゼロ実現のためには、2030年までの10年間の取り組みや行動が極めて重要になると捉え、2030年に向けた社会変革のビジョンとして「2030年カーボンハーフ」が提起された。

2030年カーボンハーフに向けた取り組み

東京都は2022年9月に東京都環境基本計画の改定を行うなどして、カーボンハーフの実現に向けた実効性ある施策の検討を進めている。その中でカーボンハーフへの道筋を具体化するための3つの取り組みとしてあげられているものは、以下のとおりだ。

  • 行動の加速を促す部門別目標(案)
  • 規制等も含めた、施策の抜本的強化
  • 都自らの率先行動を大胆に加速

まず部門別目標とは「産業・業務部門」「家庭部門」「運輸部門」においてエネルギー起源CO2排出量とエネルギー消費量の削減目標のことを指し、それぞれに削減対策を促進する取り組みが進められている。さらに各部門に対して、条例による制度の新設・強化や省エネ・再エネを強力に後押しする支援策などに加えて、国や市区町村等との連携や協働を深めて施策の抜本的強化を行う。

なかでも太陽光発電設備の設置拡大や再エネ電気調達の促進、都有施設のゼロエミッションビル化、ZEV(※)の導入促進などを「直ちに加速・強化する主な取組」と位置づけ、大胆な率先行動を図ることで、都民や事業者等の共感と協力を得ることを目指している。

※ Zero Emission Vehicleの略で、排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車のこと

人口が多く経済活動が活発な都市では、エネルギー消費量やCO2の排出量が地方に比べて多くなる。そうした事実に向き合い、大都市としての責務を果たすべく東京都が率先して環境問題に取り組むことは必然のことのように思える。

しかし、世界中のあらゆる場所で気候変動による災害等が発生している状況に鑑みると、もはや地球上のどこに住んでいても気候危機に晒された状態であると言っても過言ではない。東京都のような影響力の大きい都市が率先してさまざまな行動を起こすことで、全体の環境意識の向上につながっていくことを期待したい。

【参照サイト】東京都 – 2030年カーボンハーフに向けた取組の加速
【参照サイト】東京都環境局 – “ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Report”の概要
【関連記事】COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)とは・意味




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