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コンシャス・コンシューマリズムとは・意味

コンシャス・コンシューマリズム

コンシャス・コンシューマリズムとは?

社会、経済、自然環境にポジティブな影響をもたらすかを意識し、十分な情報を得た上で商品の購入や、サービス・ブランドを選ぶ意思決定を行う消費行動のこと。

2019年に国際的な市場調査会社のユーロモニターが発表した「世界の消費者トレンドTOP10」の中のひとつに、「コンシャス・コンシューマー(Conscious Consumer:課題意識の高い消費者)」が入っており(※1)、注目度が高まっている。似た言葉に「エシカル消費」「グリーン・コンシューマリズム」などがある。

「コンシャス」には、意識が高い、思慮深いという意味が含まれるが、「コンシャス」な消費を好む人々は、自分の消費行動が環境や社会に負のインパクトを与えない選択肢を意識して選ぶ傾向にある。

コンシャス・コンシューマリズムが注目されるようになったきっかけ

1950年代以降、“dollar voting”という言葉もあるように、商品やサービスを購入する際に何を優先し、それがどんな影響を与えるかを考える概念は存在していた。

近年になり、気候変動や公害、労働者の劣悪な労働環境や低賃金の問題など、私たちが向き合わざるをえない社会問題が次々と発生している。その背景にあるものとして、私たちの無意識な消費行動が原因であることが少なくないという現実が顕在化し、消費者として責任ある行動を取るべきという考え方が広まっていった。

マーケティング会社のGFKグループが2022年に実施した消費者調査によると、アメリカではミレニアルズやZ世代では6割以上が環境に配慮した製品の購入経験があり、その上の世代を大きく上回っている(※2)。彼らが消費の中心となる今後はさらに注目が高まるだろう。

コンシャス・コンシューマーになるには

  • 生活にミニマリズムを取り入れ不要なものは購入しない
  • B Corpやフェアトレードの認証を受けた企業の製品を購入する
  • 使い捨てのプラスチック製品の使用をやめ、再利用可能な容器やバッグを使用する
  • ゼロウェイストを心がける
  • リサイクルショップやフリーマーケットなどを利用する
  • 使えるものは修理して使う
  • 飛行機での移動を控え、ライドシェア、自転車、電車、公共交通機関を利用して移動する
  • 利用している金融サービスや投資をESGやサステナブルな視点で見直す
  • 非倫理的な行為を行っている企業やブランドの製品をボイコットする

コンシャス・コンシューマリズムのメリット・デメリット

コンシャス・コンシューマリズムについては批判的な声があるのも事実だ。その一つはアクセシビリティに関する問題で、概して環境に配慮しているものや、サステナブルな商品は比較的高価なものが多い。誰にでも手の届くものでなく、実際に環境問題などに意識が高いとされているミレニアルズやZ世代でも、経済的理由で安価な商品を選択する人も少なくない。

また、本当に地球環境や弱者の人たちのことを考え行動している訳ではなく、罪悪感を和らげることや体裁のため、いわゆるグリーンウォッシュとして行っているのではないかという懸念も存在する。

一方で、個人ひとりが意識や行動を変えても何も変わらないかもしれないが、コンシャス・コンシューマリズムが浸透し、あたりまえのことになれば、世界やマーケットを変えるインパクトにもなる。2013年以前はStandard & Poor’s 500のリストに入っている企業のうちESGの情報を公開しているのはわずか20%程度だった。しかし2019年には約90%がサステナビリティやCSRのレポートを発行している(※3)

また、エシカル、オーガニック、フェアトレードの製品を求める消費者が増えれば、より一般的に、より安価になり、誰にとっても身近なものになっていくだろう。小さな積み重ねでもこうした輪が広がっていくことは、地球に優しい環境や人に優しい社会に繋がっている。

まとめ

自分のお金がどこに流れているかを意識し、自分が信じる価値観を持つ企業に投資する。ほんの少しの努力で、誰でも意識の高い消費者になることができるはずだ。そのためにはまず世の中の商品やサービスがどのように提供されているか、その背景を知ろうとすることが必要だろう。そして大切なのは、この取り組みを持続させることだ。きちんと選択して手に入れたものは、すぐに廃棄するのではなく、長く使い続けること。こうした循環を続けることで次の世代に残せるサステナブルな地球を守りたい。

※1 Euromonitor Reveals the Top 10 Global Consumer Trends in 2019
※2 ブランド選択に影響を与えるサステナビリティ活動とは? 米国における消費行動調査
※3 Conscious Consumerism: What It Is & Why its Important

【参照サイト】Causeartist | What is Conscious Consumerism? 5 Tips for Getting Started
【参照サイト】GROW ENSEMBLE | Conscious Consumerism: What It Is & Why its Important
【参照サイト】The New York Times | How to Be a More Conscious Consumer, Even If You’re on a Budget
【参照サイト】Forbes | Brands, You Need To Listen To The Conscious Consumer Of The Future
【参照サイト】Euromonitor.com | Euromonitor Reveals the Top 10 Global Consumer Trends in 2019




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