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クロスドレッサー(Cross-dresser)とは・意味

クロスドレッシング

クロスドレッサーとは?

クロスドレッサー(Cross-dresser)とは、自分の生まれ持った体の性別とは違う装いをする人のこと。たとえば男性でメイクをしていてスカートを履いている人や、女性で「ボーイッシュ」な恰好をする人などがそうだ。社会に求められるジェンダー(男らしさや女らしさ)にとらわれない性表現をする。

性表現は、SOGI(性自認・性的指向)と同じように「性」にまつわる言葉で、服装や髪形、メイク、口調などの対外的なふるまいや、人からどう見られたいか、を指す。クロスドレッシング(Cross-dressing)をすることは、省略して「CD」などど呼ばれる。日本語では「異性装」と訳されるが、そもそも異性らしい服装をする、という言葉自体が固定観念にとらわれているという声もある。

また、自分の属する社会や時代によって「その性別らしさ」が変わる可能性もあり、クロスドレッサーの性表現もまたその時々の性のステレオタイプに反するものとなる。中国ではかつて、足の小ささが女性らしさの象徴となっており、平安時代の日本ではよく泣けることが男性らしさと言われていた。古くはフランスのジャンヌダルクが、宗教的禁忌である異性装(軍服の着用)を行ったことが、異端審問で魔女と認定された理由の一つとなった、という逸話もある。

クロスドレッシングをする理由

異性のような服装をする理由は人によってさまざまだ。ここではその一例を挙げる。

  • 趣味・ファッションの嗜好の一つ
  • 社会に求められる「らしさ」からの解放
  • 変身願望
  • 宗教儀式
  • 犯罪の捜査
  • 異性装による性的な興奮

ここで覚えておきたいのは、クロスドレッサーはあくまで自分の性とは違うと社会的に判断される服装をしている人であり、性自認や性的指向には関係がないということだ。

ゲイやバイとは限らないし、たとえば女性で一人称が「俺」、パンツスタイルのスーツとジャケットを毎日身に付けている人がいたとしても、「違う服装をしている人=自分の生まれ持った性に違和感がある人=トランスジェンダーだ!」などとも安易に判断するべきではない。

トランスヴェスタイトとクロスドレッサーの違い

クロスドレッサーは、トランスヴェスタイト(Transvestite)と呼ばれることもあった。これは自分の割り当てられた性らしくない服装、ふるまいをする人のことを指すが、クロスドレッサーよりも医療的に診断された呼称、という側面が強いのがトランスヴェスタイトである。

ここで、よく似た「トランス〇〇」の言葉と一緒に、意味の違いを見ていこう。

  • トランスジェンダー:生まれたときに割り当てられた性別と、性自認が異なる
  • トランスセクシャル:性自認と身体的性が一致しておらず、強い違和感や嫌悪感を抱いている(性適合手術を受ける人も。医療的な側面の強い言葉)
  • トランスヴェスタイト:性自認にかかわらず、性表現がその社会の典型的な「性」とは異なる(医療的な側面が強く、クロスドレッサーがネガティブなイメージを持つこともある)
  • クロスドレッサー:性自認にかかわらず、性表現がその社会の典型的な「性」とは異なる

ジェンダーに関する言葉は、まだ定義がはっきりしていないものも多く、人によって認識が変わることもある。当事者の意見を尊重しつつ、偏見の少ない目で見ていきたいところだ。




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