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エコラベル(Ecolabel)とは・意味

エコラベル

エコラベル(Ecolabel)とは?

商品やサービスが環境負荷低減や環境保全につながる、と客観的に評価されたことを示すマークのこと。消費者が購入する際の判断の基準となるもので、一般的に商品そのものやパッケージ、カタログなどに記載されている。

原料の調達から製造、流通、使用時、リサイクルから廃棄に至るまで、トータルに環境に配慮されているものかを評価しており、持続可能な地球環境のために生産者や消費者に行動変容を促すことを目的としている。

世界で最初に誕生したエコラベルはドイツのブルーエンジェル(Blue Angel)で1978年に導入された。日本ではこのブルーエンジェルなどを参考にしたエコマーク事業が1989年からスタートしている。その後、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議)で採択された「アジェンダ21」に基づき、持続可能な消費と生産に関する情報を提供するツールとして、エコラベルの重要性が認識されるようになり、世界に広まった。

エコラベルの種類

Ecolabel Indexによると、2023年現在、199カ国において25業種、456種ものエコラベルが存在するとされている(※1)。中には該当しないものもあるが、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)では下記の3つのタイプに分類している。

タイプI(ISO14024)“第三者認証”型

  • 公平中立な第三者機関が認証する環境ラベル
  • 事業者の申請に応じて審査を行い、マーク使用を認可
  • 製品・サービスのライフサイクルを考慮した基準策定
代表的なエコラベル:Blue Angel(ドイツ)、エコマーク(日本)、Environmental Choice Program(カナダ)、EUエコラベルなど

タイプⅡ(ISO14021)“自己宣言”型

  • 事業者が自らの責任において自己宣言する自社製品やサービスに対する環境配慮への主張
  • 第三者機関による認証はなく、信用性は消費者の判断に委ねられる
  • マーク、文章、図形など様々な形式がある
  • 環境主張の要件や定義として“コンポスト化可能”、“リサイクル可能”、“省エネルギー”など、12の用語がISOの規格として定められている

タイプⅢ(ISO14025)“環境情報表示”型

  • 製品における環境負荷の定量的データの表示
  • データのみの表示で、基準はないため購入の判断は消費者に委ねられる
  • 独立した検証システムで数値の検証が行われ、将来的に信用性の向上が期待されている
代表的なエコラベル:エコリーフ環境ラベル(日本)、EPD(Environmental Product Declaration:環境製品宣言)など

また、品目によっても様々なエコラベルが存在しているが、下記にいくつか代表的な品目とそのエコラベルを紹介する。なおエコマークやエコリーフ環境ラベルなどは、特定の品目に限らず、多品目をカバーしている。

食品:MSC認証(海のエコラベル)、レインフォレスト・アライアンス認証
電気製品:省エネラベリング制度、PCグリーンラベル
紙・印刷:再生紙使用マーク、グリーンマーク、FSC認証制度(森林認証制度)
自動車:低排出ガス車認定ラベル
建築資材・住宅等:間伐材マーク、環境共生住宅認定制度
リサイクル関連:PETボトルリサイクル推奨マーク、牛乳パック再利用マーク

エコラベルのメリット・デメリット

企業にとっては自社がサステナビリティや環境問題へ積極的に取り組んでいることのPRやマーケティング利用、また信頼度の向上につなげることや、グリーン購入法など法規制への対策としても活用できる。消費者や行政にとっても、エコラベルの基準を満たしている商品が普及することで、将来的に持続可能で、安心・安全な社会となる可能性が高まることは大きい。

一方で、450種以上のエコラベルが存在している現在、消費者がその違いを正確に理解するのが難しく、誤って低基準の認証商品を選択してしまう恐れもある。またエコラベルの乱立により、全体の認証基準が下がってしまい、消費者のエコラベルに対する意識が低下していることも否めない。企業にとっては、基準の高いエコラベルを取得するには時間やコストがかかることも多い。また国によって異なった環境や状況が背景にあり、輸出国と輸入国の基準の相違による摩擦なども発生している。

まとめ

持続可能な地球や社会の実現には、私たちひとりひとりの消費行動が大きく関わっている。環境に配慮された商品を選ぶには、自分たちが日々の暮らしの中で使っている商品や食べているものが、どんな材料で、どのように作られているかということにもっと興味を持つことが大切だ。まずは手にとった商品にエコラベルが表示されているか、どういったエコラベルなのかということを調べることから始めてみてはどうだろうか?

※1 Ecolabel Index | Who’s deciding what’s green?

【参照サイト】環境省 | 環境ラベル等データベース_環境ラベルとは
【参照サイト】エコマーク事務局 | 沿革 | エコマークについて
【参照サイト】UNEP – UN Environment Programme | Eco-labelling
【参照サイト】Impakter | Eco-Labels: Why They Matter and What Lies Ahead
【参照サイト】エコラベルとWTO協定




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