Browse By

フードドライブとは・意味

フードドライブ

フードドライブとは?

フードドライブとは、家庭で余った食品を回収し、福祉団体や施設、フードバンク、生活支援を必要とする個人等に寄付する取り組みである。

食べられる食べ物を廃棄する食品ロス。日本は食品ロス問題が深刻な国の一つである。日本での年間食品ロスは約612万トンで、東京ドーム約5杯分にあたる。その一方で、日本は相対的貧困という、国の平均よりも貧しい人の割合が高いことでも問題視されている。日本の子どもは、7人に1人が貧困といわれているのだ。食品を無駄に捨てる人がいる一方で、日々の食事もままならない人がいる。そんな問題を解決するのがフードドライブである。

フードドライブの流れ

フードドライブでは、家庭で余ったがまだ食べられる食材を実施場所で集め、福祉団体や生活困窮者支援団体、子ども食堂などに受け渡す。

フードドライブ

フードドライブで回収された食品は直接、必要とされる団体に提供される場合とフードバンクを経由する場合がある。フードバンクとは、各家庭や食品を取り扱う企業から、まだ安全に食べられるのに廃棄されてしまう食品を引き取り、必要とする団体へ無償で提供する団体や活動のことだ。

近年、自治体や企業、イベントや学校などフードドライブ実施団体が増えてきている。そのため、フードバンクでの集計や検品の負担が想定されることから、フードドライブ実施団体自ら、必要な人への提供まで行う方が望ましいとの声も出ている。

フードドライブの実施場所・実施団体

フードドライブが実施されている場所としては、学校やスーパーマーケット、区役所などさまざまである。また企業や団体独自で、職場やイベントでフードドライブを行うケースもある。各自治体が公式ホームページで実施場所を掲載している場合が多い。

また、誰もが気軽に参画できるフードドライブとして全国チェーンのコンビニエンスストア、ファミリーマートが独自でフードドライブを行っている(※1)

フードドライブの実施手順

フードトライブは自ら実施することも可能だ。ここでは簡単に、環境省の「フードドライブ実施の手引き」(※2)で紹介されている手順を紹介する。

  1. フードドライブ実施場所、期間、食品の提供先、広報の方法を検討
  2. 食品の提供先と回収する食品の種類、提供条件を事前に連絡・調整
  3. フードドライブ実施場所、期間、回収する食品等の周知
  4. 当日に向けた準備(資材、受付表等)
  5. 実施
    └受付けた食品の確認(対象外食品の有無確認)
    └受付けた食品の整理、集計、一時保管
  6. 提供先との連絡調整、引渡し

フードドライブ実施の必要資材(回収ボックスやのぼり、パネルなど)を貸し出ししている自治体やNPO団体もあるので、実施の際はチェックしてほしい。

フードドライブに適する食品

フードドライブでは基本的に下記のような食品が対象となる。

  • 常温で保存できるもの
  • 未開封で、包装が破損していないもの
  • 賞味期限まで1か月以上あるもの
  • 商品説明が日本語表記のもの

フードドライブで回収できない食品

基本的に下記のような食品は、対象外となる。

  • 生鮮食品
  • 冷蔵食品、冷凍食品など温度管理が 必要なもの
  • 開封済み、包装が破損しているものや食べ残しの食品
  • 賞味期限の記載がないものや商品説明が外国語表記のもの
  • 賞味期限が1か月未満のもの
  • アルコール類(料理酒を除く)

フードドライブのメリット・デメリット

フードドライブのメリット

先述の通り、日本は相対的貧困率が高い国のひとつである。フードドライブの取り組みによって、必要な人に食べ物を届けることで、貧困問題解消の一歩につながる。

また、家庭からの食材を募るというフードドライブの特性上、地域の関係性作りや分け合う心、共助・公助の心を育むことができる。さらに、日本の大きな問題である食品ロスへの関心を高め、家庭からの食品ロスや廃棄削減の啓蒙につながる。結果、食品ロスや廃棄の処理における莫大なCO2排出や費用を削減する効果も期待できる。

フードドライブのデメリット

誰もが気軽に参加できるフードドライブにはデメリットも考えられる。個人からの寄付なので安全性に不安があったり、多品種少量の食品が集まるので均等な分配が難しかったりすることだ。スナック菓子など、栄養バランスの低い食品が集まる場合もある。

フードドライブ実施側の対策としては、必要食品をある程度、限定して呼びかけるのも一つの解決策だ。フードドライブに寄付するひとりひとりの意識改革も必要だろう。ただ不要なものを回収するという位置付けではなく、支援先の人に思いやりをもち、安全で適切な食べ物を届ける意識をフードドライブに持つべきだ。

先述のとおり、フードドライブは誰もが気軽に参加できる取り組みである。自分の生活を見直すと、必要な人に支援を届ける術はたくさんあるはずだ。フードドライブの取り組みがひろがることで、貧困問題と環境問題の両方を一歩ずつ解決する未来を期待したい。

※1 ファミマフードドライブ(FamilyMart)
※2 フードドライブ実施の手引き(環境省)

【参照サイト】2019年国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
【参照サイト】食品ロスの現状を知る(農林水産省)
【参照サイト】フードドライブ(大阪市)
【参照サイト】フードバンク・フードドライブ活動の推進(横浜市)
【参照サイト】フードドライブとは(特定非営利活動法人フードバンクさが)




用語の一覧

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行

ま行
や行
ら行
わ行
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
V
W
X
数字

FacebookTwitter