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グリッドパリティとは・意味

再生可能エネルギー

グリッドパリティとは?

グリッドパリティとは、「送電網」を意味するグリッド(grid)と「等価」を意味するパリティ(parity)という2つの単語が組み合わさった造語で、コストパリティとも呼ばれる。

環境配慮型エネルギーに関する言葉で、「風力や太陽光など再生可能エネルギーの発電コストが、火力や原子力など既存の電力系統の電力コストと同等またはそれ以下になるポイント(点)」のことを指す。

近年は再生可能エネルギーの開発や導入が世界中で進んでいるが、そのコストの高さゆえに、多くが主力電源化に至っていない現状がある。太陽光エネルギーはその代表例だ。まずはグリッドパリティを達成、つまり「今までの電気料金よりも太陽光発電を利用した方が安い」という状況を作り、利用者に導入へのモチベーションを与えることが重要である。

グリッドパリティの重要性

再生可能エネルギーは、エネルギー資源の枯渇や環境破壊を防ぐための有効な手段として、世界中で需要が高まっている。また予期せぬ災害や、資源産出国の情勢悪化などによるエネルギー供給停滞リスクに備え、各国が自国でのエネルギー安定確保の必要性にせまられている背景もある。

一方で課題として、再生可能エネルギーは発電コストが高く、政府の支援なしには普及が難しいという側面がある。再生可能エネルギーを1つの主力電源として活用するためには、グリッドパリティの達成、つまり既存の発電方法と同等のコストでの運用が必須条件なのだ。

現在さまざまな国で、再生可能エネルギーの普及を促進する施策として、補助金や固定買取(FIT)制度が展開されている。日本でも、一般の利用者が「再生可能エネルギー賦課金」を通常の電気料金に加える形で、発電設備のコスト等を負担している。そのコスト回収が進み、グリッドパリティが達成されたとき、私たち利用者の電気料金としての負担も軽減されるだろう。

グリッドパリティの基準

グリッドパリティの値に、共通した基準や指針は存在しない。ただし日本においては、太陽光発電開発戦略(NEDO、2014年)が、2020年に14円/kWh、2030年には基幹電源レベルの7円/kWhという目標を設定している。

世界ベースでみると、大規模な太陽光発電にかかる設備投資コストが、火力発電に近い水準にまで下がっている国もある。政府主導による補助金などの促進政策が、一定の効果をあげたといえるだろう。米国やドイツ、フランスなどは、独自の施策によりストレージパリティの達成を図り、蓄電池普及や自家消費型発電の推進なども行っている。

一方で、日本における太陽光発電のコストは、ヨーロッパのおよそ2倍程度の高い水準にある状況だ。太陽光パネルなどのハードウェアと、設置のための土壌整備費用などソフトコスト両方の低減を図り、最低ラインとしてのグリッドパリティを早急に達成する必要がある。

グリッドパリティが達成された未来

グリッドパリティが達成され、補助金などの優遇措置がなくとも普及が進む状態となったとき、その再生可能エネルギーがはじめて市場で競争力を持つことになる。電力の買い手であるわれわれ消費者も、環境にやさしいエネルギー消費という選択肢を得るのだ。

再生可能エネルギー産業のさらなる発展は、地球の未来を明るくする。私たち利用者が「環境に優しいエネルギーを選択」することで、サステナブルな社会の実現が可能となるのである。

【参照サイト】一般社団法人エネルギ―情報センター『新電力ネット』
【参照サイト】経済産業省 資源エネルギー庁
【参照サイト】経済産業省 資源エネルギー庁HP『ソーラーシンギュラリティの影響度等に関する調査』
【参照サイト】独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)『コスト低減が世界の太陽光発電の導入を後押し』
【参照サイト】経済産業省『気候変動対策推進のための有識者会議(第3回)についての資料』




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