Browse By

インターナライズド・セクシズムとは・意味

インターナライズド・セクシズム

インターナライズド・セクシズムとは?

インターナライズド・セクシズム(Internalized Sexism)とは、自分自身や他の女性に対して無意識のうちに女性が性差別を行ってしまうこと。

男女平等の社会を実現するために、日本でも政府、企業、教育機関等の様々な団体が、女性の社会進出や男性の育児休暇取得等を支援する取り組みを行っている。しかし、社会規範やメディア報道の中には、「男性はこうあるべきだ」「女性はこうあるべきだ」といった、性に対する固定観念が依然として残っているのも現状だ。日々の生活やメディアを通して、性差別を前提とした考え方を無意識のうちに取り込み、同性に対して性差別をしてしまうことが、インターナライズド・セクシズムである。

インターナライズド・セクシズムの例

インターナライズド・セクシズムの具体的な例を以下に挙げる。

  • 女性は外見に気を使うべきだと考え、化粧やおしゃれにこだわらない女性に対して、女性が否定的な考えを持ったり、身体的特徴や外見を卑下したりすること
  • 男性が好ましいと思うファッションを女性はすべきだと、女性が考えること
  • 女性は家事をすることが当たり前だと考え、家事をしない女性に対して、女性が否定的な考えを持つこと
  • 女性は理系科目が苦手、女性は地図が読めない、といったステレオタイプ的な考えをもとに、「女性だから自分は(彼女は)できない」と卑下すること
  • 優秀な女性は男性から好かれにくいと考え、勉強や仕事に熱心に取り組むことに対して、女性が否定的な考えを持つこと
  • 女性は家事や育児に専念すべきだと考え、他の女性が勉強や仕事に取り組む機会を妨げること

インターナライズド・セクシズムの問題

性差別は異性間で起こるものと考えがちだ。しかし、インターナライズド・セクシズムのように同性間で性差別が起こることで、以下のような問題点がある。

  • 同性間の性差別であるため、異性からの性差別と比べて性差別として認識されにくい
  • 「同性から性差別が許容されているなら、この程度の性差別は自分も行って良いだろう」という認識が、同性・異性に関わらず広がってしまう
  • 本来なら個人として認められるはずの個性や、個人としての選択、個人として与えられるはずの機会が、性別を理由に否定されてしまう
  • こうした悪循環により、性差別的な考え方や伝統的な性別役割分担が正当化され、助長される恐れがある

まとめ

普段の生活で触れるメディアや社会期待を通して蓄積された性差別的な考え方を元に、無意識のうちに同性への性差別を行ってしまう、インターナライズド・セクシズム。同性間の性差別であるが故に、「性差別」として気づかれにくい。もし自分が、自分に対して性別を理由に否定的な考えを持つようになったり、他者の行動や考え方に対し「女性なのに」「男性なのに」といった目で見てしまったりしていると感じたら、少し立ち止まり振り返ってみるのも必要かもしれない。

【参照サイト】Internalized Misogyny: What does it look like? How do you stop it?(University of Missouri, UMKC Women’s center)
【参照サイト】10 Signs of Internalized Sexism and Gaslighting(Psycology Today)
【参照サイト】Internalized Sexism / Internalized Misogyny(cultural bridges to justice)
【関連記事】慈悲的性差別(ベネヴォレント・セクシズム)




用語の一覧

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行

ま行
や行
ら行
わ行
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
V
W
X
数字

FacebookTwitter