Browse By

リーガルテック(Legal Tech)とは・意味

リーガルテック

リーガルテックとは?

法律に関する業務の利便性向上を目的に、IT技術を用いて開発された商品やサービスの総称。英語のリーガル(法律)とテクノロジー(技術)を組み合わせて作られた造語だ。

民事訴訟の多いアメリカで、訴訟の根拠となる膨大な情報を精査する目的で開発が進められた。 現在は弁護士事務所だけでなく、一般企業の法務部でも活用されている。

IT技術の活用により業務効率化やビジネスの変革を目指す「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、近年さまざまな分野で注目されており、リーガルテックは法律分野におけるDXと言える。

リーガルテックサービスを導入するメリット

近年注目度が高まる日本のリーガルテック市場は、2018年の228億円から、2023年には353億円になると予測されている。注目される背景には、働き方改革に繋がる下記のメリットが考えられる。

法務業務の効率化

取引先との契約書の締結は全ての企業にとって非常に重要であり、時間と知識を要する業務だ。従来人が行っていた作業をリーガルテックサービスが代行することにより、作業時間を短縮することが可能になる。また、熟練した法務担当者がいない企業であっても、質の高い契約書の作成やレビューができるようになる。効率化により労働環境の改善や、人手不足の解消も期待される。

リモートワークへの切り替えがスムーズ

法務分野の仕事は契約書など紙媒体でのやり取りが多く、リモートワークに切り替えるのが難しい業務が多くある。書類のやり取りをデジタル化することにより、リモートワークが可能になるだけでなく、情報漏洩のリスクを抑えることもできる。コロナ禍によりリモートワークの導入が急速に進んだことにより、リーガルテックの必要性はさらに高まった。

リーガルテックサービスの種類

リーガルテックのサービスは新しく開発が進められているものも多くあり、種類も非常に多岐にわたる。主なサービスの内容は下記の通りだ。

リサーチ

法改正の情報や、専門家の解説をインターネット上で調べられるサービス。弁護士に直接相談することなく、最新情報をチェックすることができる。

契約書作成

テンプレートを活用した契約書の作成を行うサービス。契約書をデータ化することで、効率的に契約内容を検索することが可能になる。

契約書レビュー

弁護士の行動を学習したAIを用いて、契約書の内容に誤りがないかのチェックを自動で行うサービス。AIがミスや抜け漏れを指摘し、修正例を出してくれるサービスもある。

電子契約

クラウド上で契約書のアップロード・確認・締結をまでを行う、リーガルテックの代表的なサービスだ。従来のように書面でやり取りする手間が省け、郵便代などの経費の削減にも繋がる。

契約管理

データ化された契約書をセキュリティ対策がされたサーバーで管理するサービス。書面で管理するよりも、過去のデータ参照がしやすくなる。

フォレンジック

デジタルデバイスやネットワークに記録された情報を回収するサービス。一度消されたデータの復元が可能なケースもある。セキュリティ事故が起きた際の証拠の収集に役立つ。

紛争・訴訟解決

企業が抱えるトラブルの解決をサポートするサービス。例えば、インターネット上で弁護士を実績や得意分野ごとに検索ができるサービスがある。

国内のリーガルテックサービス事例

弁護士ドットコム(リサーチ・弁護士検索)

弁護士ドットコムは、無料で法律相談が可能な「みんなの法律相談」や、弁護士や法律事務所を検索できる「弁護士検索」を展開している、国内最大級の法律相談ポータルサービスだ。幅広い相談内容に対応しており、地域や分野を指定して弁護士を探すことができる。また、悩み別に過去の相談内容を参照することができるのも弁護士ドットコムの特徴だ。

LegalForce(契約書レビュー)

LegalForce(リーガルフォース)は、弁護士監修のAIによる契約書レビューサービスだ。レビューをAIが行うことで、作業時間を短縮できるだけでなく、目視では気がつきにくいリスクを洗い出し、抜け漏れの発見をサポートしてもらうことができる。

クラウドサイン(電子契約)

クラウドサインは、契約締結から契約書管理まで可能なクラウド型の電子契約サービスだ。契約交渉済の契約書をアップロードし、相手方が承認するだけで契約を結ぶことが可能。これまで数日かかっていた契約作業をスピーディーにこなすことができるのが特徴だ。

リーガルテックカオスマップ

「企業の契約法務のDXを後押しするリーガルテックカオスマップ2022」GVA TECH株式会社 プレスリリースより

まとめ

近年のDX推進や働き方改革の流れの中で、リーガルテックへの注目度はますます高まっている。だが、「AIがミスをした際の責任の所在が不明瞭である」「サーバーがダウンする可能性がある」など、いまだ課題が存在するのも確かだ。リーガルテックにすべてを丸投げするのではなく、有事の際の対策も考えておきたい。

【参照サイト】MoneyFowardクラウド契約 リーガルテックの特徴や日本の市場規模について
【参照サイト】JETRO アメリカにおけるリーガルテックの現状
【参照サイト】株式会社矢野経済研究所 プレスリリース「リーガルテック市場に関する調査を実施(2019年)」
【参照サイト】GVA TECH株式会社 リーガルテックカオスマップ




用語の一覧

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行

ま行
や行
ら行
わ行
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
V
W
X
数字

FacebookTwitter