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SBT(Science Based Targets)とは・意味

SBT(Science Based Targets)とは?

SBT(Science Based Targets、科学と整合した目標設定)とは、パリ協定の水準に整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のこと。最終的な目標は2050年までにGHG(温室効果ガス)排出量を実質ゼロにすることであるが、SBTでは5~10年先の短期目標として産業革命以前に比べて1.5度以内に抑えるシナリオと整合的になるよう、年率4.2%のGHG排出量の削減が求められている。

SBTの目標設定イメージ(出所:環境省)

SBTの目標設定イメージ(出所:環境省)

SBT認定のメリット

SBTは、企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が構成するプラットフォームであるWMB(We Mean Business)の主要な取り組みのひとつ。の運営は、WWF(世界自然保護基金)、CDP、WRI(世界資源研究所)およびUNGC(国連グローバル・コンパクト)が共同で事務局を務めるSBTi(SBTイニシアティブ)により行われている。

SBTに取り組む企業は、SBTiに申請を行い「認定」を受けることができる。投資家、顧客、サプライヤー、社員などのステークホルダーに対してサステナブルな企業であることをアピールできることが企業にとってのSBT認定のメリットだ。

2022年3月時点で世界のSBT認定企業は1237社、コミットメント宣言している企業は1434社と前年の642社および668社からいずれも大きく増加している。これは、Appleなどのグローバル企業がサプライヤーに脱炭素を求める動きが加速していることや、ESG投資が広がる中で機関投資家が投資先企業に対してSBT認定取得を促すエンゲージメントを積極化していることが背景にある。

SBT参加企業数の推移(出所:環境省)

SBT参加企業数の推移(出所:環境省)

SBTの認定基準厳格化の背景

2022年7月、SBTiはSBT目標の認定基準の見直しを行い、企業に求める削減目標をこれまでの「5~15年先に年率2.5%削減」から「5~10年先に年率4.2%削減」とした。これは、パリ協定で合意した2℃目標のためには遅くとも2025年にはGHG排出ピークアウトを実現する必要があるとする2022年4月に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3作業部会第6次評価報告書を踏まえた動きである。

実際、多くの企業が例えば「2050年排出量実質ゼロ」といった目標を公表しているが、その実現のための具体的な取り組みが不十分な企業も少なくない。こうした実態に対して、今後SBTiがどのように対処するかが注目される。

【関連記事】国連グローバル・コンパクト(UNGC)とは・意味
【参照サイト】環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム
【参照サイト】Apple, Inc 2022年10月25日プレスリリース「Apple、グローバルサプライチェーンに対して2030年までに脱炭素化することを要請」




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