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ワーキングプアとは・意味

ワーキングプア

ワーキングプアとは?

正社員または非正規社員としてフルタイムで働いているにも関わらず、生活保護の水準以下の収入しか得られない労働者層を指す言葉。厚生労働省は年収192万円未満の人を「一般的にワーキングプアに含まれる者」と定義している。

貧困は失業している状況下で陥ることが一般的に多く見られるが、フルタイムで働いても貧困から抜け出せないワーキングプアは、失業問題ではなく「労働問題」として社会課題になっている。

ワーキングプアの現状

日本国内では、年収200万円がワーキングプアの一つの目安となっている。例えば、年収197万円の場合の月収は手取りで13万円ほど。生活用品の購入を我慢したり、実家暮らしに頼ったりしている人も多く、貯金に回すお金はない。普通の生活を送ることさえ儘ならないこともしばしばだ。

そんな日本のワーキングプアの割合は全人口の約1割を占める。内訳は正規社員よりも非正規雇用の方が、男性よりも女性の方が圧倒的に多い。同じ時間働いても男女で収入差が大きく開いている。

ワーキングプアに陥る原因

①賃金の低迷

日本の平均年収はバブル崩壊以降、過去30年間上がっていない。先進国の中でも平均以下の水準となり、海外と比較すると上昇率の差が明らかだ。その結果、正社員で働いていても給与が上がらずにワーキングプアに陥る可能性がある。

②非正規雇用の増加

労働者派遣法の規制緩和により、人材派遣業務が自由化され、派遣やパートなどの非正規雇用の労働者が増加した。非正規雇用は雇用期間や仕事内容が決められており、キャリアアップが期待できないことから、収入アップが見込みにくい。また、会社の経営が悪化した際には人件費削減の対象になりやすい傾向がある。

③就職難

バブル崩壊や世界的金融危機、コロナウイルスの流行など、就職が難しい時期に大学を卒業し、正社員採用を逃した人が、そのまま非正規社員として働き続けてワーキングプアになるケースがある。

ワーキングプアの問題点

ワーキングプアの深刻な問題として過労死や自殺が挙げられる。

フルタイムで働いても十分な収入が得られない場合、より多くの収入を得ようと長時間労働をする。また、収入が足らずに苦しい生活を強いられると、精神的にも追い込まれてしまう。その結果、過労死や自殺に至る原因のひとつと指摘されている。

ワーキングプアを減らす対策

経済的援助

生活保護制度などで経済的な援助をすることで、ワーキングプアから抜け出す足がかりにする対策は重要だ。しかし、長時間働く労働者が最後のセーフティーネットである生活保護を利用する状態は、福祉制度が十分とは言えない。根本的な解決として、最低賃金を上げていくことが望まれる。

就労支援

転職エージェントやハローワークで、キャリアカウンセラーに転職のサポートを行っている。また、ハローワークでは職業訓練としてスキルアップに繋がる授業があり、一定要件を満たせば受講中に給付金の支援も受けられる。

まとめ

ワーキングプアになるきっかけは、学校を卒業した年の経済状況、就職先の業務内容、予期せぬ会社の業績低下など、誰にでもあるだろう。また今までの経験上、キャリアの再構築が難しく、ワーキングプアから抜け出せない悪循環に陥ることもあるだろう。

そんな状況から抜け出し、新たな道へ進みたい時、より心強いサポートが受けられる体制が整うことを期待したい。

【参照サイト】厚生労働省 非正規労働者データ資料 
【参考サイト】韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…(朝日新聞)
【参照サイト】女性非正規の半分がワーキング・プアという、令和日本の悲惨な実態(news week)




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