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ブランドジャーナリズムとは・意味

マイク

ブランドジャーナリズムとは?

ブランドジャーナリズムとは、ブランドや企業が自らジャーナリズム(報道活動)の視点を持って自社メディアで情報を展開し、認知度を高めていく活動のこと。コンテンツマーケティングの手法の一つである。

つまり、これまでのように外部メディアに取り上げてもらうのではなく、自社のストーリーや製品を自ら取材し、自社サイトやSNSを通して報道することで消費者の認知や興味を獲得していくことを指す。

ブランドジャーナリズムはWebサイトやSNSの発展により、企業がメディアの力を借りなくとも消費者にコンテンツを届けられるようになったことから広まった。

アメリカニュース編集者協会(ASNE)によると、アメリカでは報道機関の雇用が2006年〜2014年の間で3分の1に減少しているのに対し、PR業界の雇用は年々増加している。

また米国労働統計局によると、アメリカでPR担当者として働くジャーナリストの数は2014年までの10年間で3.2人から4.6人に増加したという。PR業界の市場も、年々成長している。

プロセスエコノミーの広がりとブランドジャーナリズム

ブランドジャーナリズムが生まれた背景の一つに、プロセスエコノミーの広がりがある。

製品そのものだけでなく製造過程や背景を大切にするプロセスエコノミーの広がりにより、製作プロセスや想い、研究開発、クリエイティビティ、理念などを企業やブランド自ら発信することが求められるようになった。そこから、ブランドジャーナリズムという概念が発展した。

ブランドジャーナリズムに特に決まった定義づけはなく、捉え方や表現方法は情報を発信する企業やブランドによって多様に変化する。

企業やブランドは、ビジョン、取り組み方、技術研究から日常業務、製作ストーリーに至るまで、自社の本質的な部分をさまざまな視点から発信していく。

ここで重要なのは、あくまで第三者的目線で偏りなく自社を報道することだ。

コンテンツマーケティングとの違い

ブランドジャーナリズムはコンテンツマーケティングの手法の一つだが、情報発信によって期待する効果とターゲットに違いがある。

コンテンツマーケティングは商品を売ることを目的とし、自社ブランドや製品への関心・購買意欲を高めるためにターゲットを絞り込んだ発信を行う。

それに対してブランドジャーナリズムは、企業やブランドを広く知ってもらい認知度や親近感を高めることを目的としており、より広範囲の一般消費者へアプローチを行う。そのため、企業の理念やブランドメッセージが伝わりやすい情報を中心に発信する。

ブランドジャーナリズムの事例

現在、存在している企業・ブランドの多くが何らかのかたちでブランドジャーナリズムの手法を広報に活用している。具体的な事例は以下のようなものである。

スターバックス

スターバックスは「STARBUCKS STORIES & NEWS」というオウンドメディアで、環境や社会への取り組み、スターバックスで働く人のストーリーなどを紹介している。

インタビュー形式のストーリー記事を通して、黒人差別やLGBTQの権利をはじめとする社会問題への問いかけも行っている。

キャノンメディカルシステムズ

総合医療機器・システムを製造するキャノンメディカルシステムズは、オウンドメディアでお客様インタビューを通して自社が携わる医療現場の紹介記事を発信している。このインタビューを通して過疎地域や離島医療の現状や、自社の役割などをストーリー形式で消費者に伝えている。

また社員インタビューを通して、自社機器や技術の紹介、業務姿勢、想い、未来への展望などを伝えている。

キリン

飲料メーカーのキリンは、自社サイトで自社の研究開発の成果を分かりやすく伝えるストーリー・レポートを公開している。また公式noteで生産過程や原材料、生産者にまつわるストーリーを紹介。社員へのインタビューを通して、自社の価値観を伝えるコンテンツなども発信している。

ミツカン

調味料メーカーのミツカンは、自社サイトで「ミツカンのはなし」というカテゴリのコンテンツを発信しており、歴史やコラム、商品開発ストーリーなどを紹介している。
併せて「ミツカンの取り組み」というカテゴリでは、研究開発、調達、生産物流などを紹介する。

また社会貢献活動としてミツカンが設立した「水の文化センター」の公式サイトでは、水に感謝し、水の大切さを伝えるコンテンツを発信している。

SDGsとブランドジャーナリズム

事例から分かるようにブランドジャーナリズムは、企業がサステナビリティやSDGsに関する姿勢を消費者に伝える際にも活用される。

ブランドジャーナリズムは、自社の製造過程やビジョンを中立的な立場から伝える手法だ。ここでサステナビリティへの取り組みや想いを適切に示すことができれば、社会のより良い変革を促すことにも貢献できる。

ここで気をつけなければならないのは間違ったメッセージを発信しないこと、そしてPRのためだけに環境保護の発信をするといったグリーンウォッシュを行わないことだろう。

社会への影響力を持つ企業がブランドジャーナリズムの視点でどのようなメッセージを発信するかは、企業の運営だけでなく社会全体にとっても大きな意味を持つといえるかもしれない。

【参照サイト】Content marketing vs Brand Journalism : the outcomes define differences|sarahskerik
【参照サイト】〝ブランドジャーナリズム〟はジャーナリズムの脅威か?|HuffPost
【参照サイト】The invasion of corporate news|FINANCIAL TIMES
【参照サイト】ブランドジャーナリズムとは ジャーナリズムの視点を加えたコンテンツで信頼を勝ち取る
【参照サイト】コンテンツマーケティングの一つ「ブランドジャーナリズム」とは何か。具体例も交えて解説
【参照サイト】株式会社スプー 最新事例




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