ニクセン(Niksen)とは・意味
ニクセン(Niksen)とは?
ニクセンとは、オランダ語で「あえて何もしないこと」「目的を持たずに時間を過ごすこと」。
有益なことをしよう、何かを成し遂げようと、常に「オン」の状態になってしまい、気づかないうちに疲れやストレスをため込んでしまう人も多いだろう。がんばりすぎて燃えつきてしまう状態(Burn out)を避けるため、目的を持たない時間をあえて作る。デンマークの「ヒュッゲ(Hygge)」やスウェーデンの「ラゴン」のような「居心地がいい空間」や「楽しい時間」といった意味と同様に、自分を労わるアプローチの一つとして注目を集めている。
ニクセンの実践例
何かをすることが当たり前になってしまうと、何もしないことに違和感を覚えるかもしれない。しかし、自分を追い込んでしまう状態から離れ、「する(doing)」のではなく、ありのままで「いる(being)」状態を大切にするのがニクセンだ。いくつかその実践例を挙げる。
- 椅子に座りながらぼうっとする
- 窓の外をのんびり眺める
- 音楽を聴く
- 気の向くままに出かける
- 自然と無心になってできる編み物のような反復動作をする
- 文字通り何もしない
ニクセン(Niksen)が話題になった背景は?
これらのリラックス法が話題になった背景は、忙しい毎日を送らなければならない現代社会において、心身不調が表れる人が急激に増えたことにある。ストレス研究や燃え尽き症候群の改善に取り組むオランダの団体「CSR Centrum」は、ニクセンについて「窓の外をぼーっと眺めたり、ぶらぶらしたり、無意識で音楽を聴いたりするように、目的を持たずに何かをする」ことだと説明している。
ニクセンの効果
オランダでは、日々の生活にニクセンを取り入れることをコーチングの専門家等も薦めている。ニクセンにはどのような効果があるのだろうか。
- しっかりと心身を休めることができるため、体調の回復につながる
- がんばらない時間を設けることで、休息を取れるようにする
- ストレスや負荷のかかった状態から脳を解放することで、創造性や集中力が増す
- 何もしないことで、普段向き合ってこなかった様々な思考や感情に気づくことができる
マインドフルネスとの違い
ニクセンと同様に、ストレスから自分を解放し、より創造性や生産性を高めるためのアプローチとして、「マインドフルネス」がある。ニクセンとマインドフルネスは、よく似ているようで反対のアプローチだと言われている。
マインドフルネスは、雑念を取り払い、今この瞬間に意識を向け、今自分が存在することに集中するアプローチだ。一方でニクセンは、雑念が生じること、時間がただ過ぎることを許し、ありのままでいることを大切にしている。どちらが優れているという話ではなく、自分がより回復しやすく、向いていると思う方を始めてみるのが良いだろう。
日常生活でニクセンを取り入れる
何もしないことは怠けていることだと思ってしまいがちだが、決してそうではない。人間は回復するための時間は必要な生き物である。ニクセンは、ぼーっとする、ゴロゴロする、自然を眺める、座禅や瞑想するなど、日常生活でも簡単に取り入れられる。疲れがたまっていると感じたら、何もしない時間をあえて取り入れ、仕事や生産性に囚われた現代社会から一息つくことを実践してみると良いだろう。
【参照サイト】Niksen Is the Dutch Lifestyle Concept of Doing Nothing—And You’re About to See It Everywhere(TIME)
【参照サイト】What is ‘niksen’, the Dutch concept of doing nothing? And how does it work exactly?(NBC News BETTER)
【参照サイト】‘Niksen’ like the Dutch: how you can accomplish more — by doing nothing(Dutchreview)
【参照サイト】Niksen: The Dutch lifestyle concept of doing nothing(CSR expertise centrum stress&veerkracht)
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