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セイクリッド・エコノミクス(聖なる経済学)とは・意味

セイクリッド・エコノミクス(聖なる経済学)とは?

セイクリッド・エコノミクス(聖なる経済学)とは、競争、支配主義的な旧来の貨幣制度を見直し、自然の真理に基づいて見返りを求めず与え合う「ギフトエコノミー(贈与経済)」を中心とした経済システムへの転換を目指す経済概念のこと。

米の著述家であるチャールズ・アイゼンシュタインが、2011年に出版した著書「Sacred Economics(聖なる経済学)」を通して提唱している。

経済成長を前提として利益を追求する現代の資本主義制度は貧富の差を生み、環境破壊や気候変動、戦争、コミュニティ破壊といった危機が深刻化している。

しかし本来お金は人々の生活を脅かすものではなく、海、森、土壌などと同じように人間が受ける恩恵のひとつで、生活をより豊かにするものであるはずだ。だからこそ経済システムを本来あるべき形に変革すれば、地球上のあらゆる危機を回避し、持続可能な世界を実現することができるとしている。

現行経済システムの問題点

現在の経済システムは借金と利息によりお金を生み出し流通させる仕組みとなっている。融資を行い、新たな物やサービスを作り出す。そして後に利息を上乗せして返済させることで次々とお金の流れを作り出すのだ。

しかしこの仕組みは有利子の負債を生み出すことから、お金の流れを維持するためには常に成長を続けなければならず、一度GDPの増加が止まると経済は機能しなくなる。

そこで人は成長を追求し、恩恵であるはずの自然資源を奪い合い、許容量を超えて消費し、環境を汚染してきた。また社会的、文化的、精神的な資本も経済成長のために利用され、格差による競争心や欠乏感、不安感などから集合意識が薄れ、コミュニティの崩壊も招いている。

このように地球に大きな負荷を与え、様々な不均衡を生む現在の経済システムそのものを見直し、自然から切り離されない経済のあり方を模索していくべきだとするのがセイクリッド・エコノミクスの考え方である。

セイクリッド・エコノミクスが目指す経済システム

セイクリッド・エコノミクスでは、見返りを求めず与え合う「ギフトエコノミー」の実現を目指している。また、大地・水・天然資源といった地球から受ける恩恵も「ギフト」と捉えて感謝し、互いに分け合い、富を分配することが本来あるべき経済の姿だとしている。

そうして地球上の資源が公平に行き渡り、上下関係のないピア・ツー・ピア(Peer to Peer)の金融システムが構築されれば、環境汚染や気候変動といった未来への負債を減らすことにつながり、競争がなくなることで人々の生活そのものが精神的・文化的にも豊かになるという。

また本来人間はつながり合う生き物であることから、ギフトエコノミーが中心となった新しい経済システムの中では人々のつながりが強化され、人生における幸福感も増大するという。

このように経済を神聖なものにするには、現在の経済システムにある高利貸し、土地や水、天然資源の支配、知識や情報の制限などを止め、必要以上に持つ者は不足している者に分け与える意識と、それを可能とする経済システムを作っていかなければならない。

ギフトエコノミーのこれから

しかしこうした経済の変革は現時点でお金や資源が不足している人々にとっては理想的である一方、現在の経済システムの恩恵を受けるトップ層にとっては財産の減少を招くことから、社会全体に変革を促していくことは容易ではない。

チャールズ・アイゼンシュタイン氏はまずはじめの一歩として、これまでの経済システムが自然に与えた被害を癒し、回復することから始めなければならないと説いている。

これまでの文明で起きたことは過ちではなく必要なプロセスであったと解釈し、1960年代頃を機に始まった環境保護活動を集合意識への目覚めと捉え、新たな価値観で経済を見つめ直していくことが大切だという。

チャールズ・アイゼンシュタイン氏は、こうしたセイクリッド・エコノミクスが目指す経済システム転換のプロセスは既に始まっていると認識している。今後経済のあり方を根本から見直す動きが世界的に高まっていくかもしれない。

【参照サイト】SACRED ECONOMICS with Charles Eisenstein (2019 Remix)
【参照サイト】Sacred Economics




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