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ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)とは・意味

ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)とは?

室内環境の質を維持しながら、消費する年間のエネルギー収支ゼロ(=ネットゼロ)を目指す建物のこと。

省エネとパッシブ技術(高性能断熱材、高性能断熱、遮熱窓などの外皮断熱、日射遮蔽や自然採光)によって消費エネルギーを減らし、創エネ(再生可能エネルギーを生み出すソーラーパネルなど)によってエネルギーを生み出す。

日本で実際に消費されたエネルギー量における業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)の割合は16%(2016年度)となっており、二十数年間で約30%増加している。そこで日本政府は、2014 年に定めた「エネルギー基本計画」でZEB の実現・普及目標を設定。さらに、2015 年に公表した目標達成のためのロードマップにおいて、2020 年までに新築公共建築物等でZEB の実現、2030 年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指すことを発表した。

ZEBの仕組み

ZEBは3つの技術を使って、年間エネルギー収支ゼロを達成する。

1. パッシブ技術
ブラインドなどの利用による窓から入る日差しの遮断、高性能断熱材や遮熱窓の使用、太陽光の有効活用による照明利用の抑制や、温度差や風を使った自然換気、地中熱や下水熱を利用すること。パッシブ技術によりエネルギー需要を減らすことができる。

2. アクティブ技術
LED照明やセンサーが付いた高効率照明や高効率空調などのことで、エネルギーを自動制御して効率的に使う技術。BEMS(Building Energy Management System)(※1)を使った、エネルギーの効率化が行われる。

3. 創エネ
再生可能エネルギーの活用。建物で使用するエネルギーを太陽光発電やバイオマス発電によってつくりだすことで、災害時にも電源を確保できる。太陽光パネルは建物の屋上に設置するのが一般的だが、設置できる面積が限られるため、壁や窓に太陽光発電システムを設置する技術開発が行われており、すでにこれらを利用したZEBも存在する。

ZEB実現のためのシステムと補助金

政府はZEBの実現を目指して補助金を交付している。交付金額は費用の3分の2で、上限は建物面積によって3億円もしくは5億円となっている。

補助金申請には、ZEBプランナーが携わることが条件となる。ZEBプランナーとは、「ZEB設計ガイドライン」や「ZEBや省エネ建築物を設計するための技術や知見」を活用して、ZEB実現に向けた相談窓口を有し、建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティング等を行い、その活動を公表する事業者のこと。2018年3月時点で109件登録されている。

これまでにZEB事業として採択された件数は、2015年度が17件、2016年度が40件、2017年度が48件、2018年度が36件となっており、すでに使用が始まっている建物もある。

エコな取り組みは数多くあるが、誰もが利用し、人間にとって不可欠な建物が地球にやさしいものになっていくことは大きな意味を持つだろう。身近で、よく利用するものだからこそ環境に配慮した良いモノにしていく必要があるのではないだろうか。

※1 人や温度や湿度などを感知するセンサーと制御装置から成る建物のエネルギー管理システムのこと。センサーが制御装置にデータを送ることで、照明や空調を最適に制御するとともに、エネルギー使用状況の分析結果を将来の空調制御に反映させる。

【参照サイト】ZEB PORTAL
【参照サイト】省エネ普及促進コーナー(ZEB) ネット・ゼロ・エネルギー・ビルとは
【参照サイト】省エネルギー政策の進捗状況
【参照サイト】ZEBの普及に向けた国の取組
【参照サイト】平成30年度 ZEB実証事業について




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