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ヒュッゲ(Hygge)とは・意味

ロウソクの明かりが灯る自宅でワイン片手に家族とディナーを楽しんでいる

ヒュッゲとは?

ヒュッゲ(Hygge)とは、デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」のことを指す。ヒュゲリ(Hyggelig)は、その形容詞形である。今では、単なる一単語にとどまらず、デンマーク人の大切な価値観やマインドセットのひとつとなっている。

デンマーク人が「これはヒュッゲの時間だ」と呼ぶのは、たとえばロウソクや間接照明で照らされた自宅で食卓を囲みながら、家族や友人など大切な人と一緒に過ごす時間だったり、コーヒーや紅茶を片手に暖炉のまわりでゆったり語り合うひととき、さらに寒くて長い冬の間の晴れた日に公園で日向ぼっこをする時間などのことである。ときにはデンマーク文化で欠かせないアルコールやユーモアを楽しむなど、ヒュッゲはフランクで形式ばっておらず、リラックスしていることが一般的だ。

日本語でいうと、「ほっこり」や「まったり」という言葉のニュアンスに近いかもしれない。雪が降る寒い冬の夜に、家のコタツに入ってみかんを食べながら家族とテレビを見て笑っている瞬間だろうか。

「世界で最も幸せな国」ランキングで常に上位にランクインするデンマーク。その理由のひとつは、何気ない日常の中で、ヒュッゲの時間を大切にして、ちょっとした幸せを感じる瞬間を持つように意識しているからではないだろうか。

ヒュッゲを演出する空間

ヒュッゲな時間を楽しむには、空間作りが欠かせない。デンマークの部屋のインテリアは、シンプルで自然の暖かさを感じられるものが多い。素材から、形、色、質感まで、一貫した安らぎを感じる。その中でも特に欠かせないアイテムは、ロウソク。ヨーロッパロウソク協会によると、デンマークはロウソクの消費量が最も多い国の一つである。照明を落とし、食卓に季節の草花を飾り、何個ものロウソクを灯す。炎のゆらぎに、身も心も癒される。ロウソクだけではなく、間接照明や暖炉も使った光の使い方が上手いのがデンマーク人のお宅の特徴でもある。

北欧インテリアのキッチン

Image via shutterstock

デンマーク人の部屋作りでのもう一つの特徴は、自分の手で作ったり直したりするなど、DIY精神が当たり前であることだ。休暇があれば、家にいて日曜大工をしたり、床や壁をペンキで塗ったりなどと、新しいものを買いに行くのではなく、自分の手を使って身の回りにあるものを”育てていく”人が多い。こうすることで、モノに愛着がわき、より大事にしようとする。結果として、モノを無駄にしない環境負荷の少ないライフスタイルにつながっているのだろう。

ヒュッゲを楽しむ際に大切なこと

では、デンマークに行かないとヒュッゲを楽しむことはできないのだろうか。上記にも書いたように、ヒュッゲは、日本の冬に家のコタツに入ってみかんを食べながら家族とテレビを見ている穏やかな時間にも近い。

どちらにも共通していることは、今ここで、それぞれの人が自分らしくいられる場所と仲間に感謝し、一緒に居られる時間を楽しもうとすることである。そして、一緒にコーヒーやお酒を飲みながら、自分は相手に対してオープンであることを示しているのだ。自然の要素が詰まった、気張らずに、誰もが受け入れてもらえるあたたかい空間は、そんなオープンな雰囲気を促進してくれる。

女性と男性が窓際でコーヒーを飲みながら談笑している

Image via shutterstock

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