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フィランソロピーとは・意味

フィランソロピー

フィランソロピーとは

フィランソロピーは古代ギリシャ語の「愛」と「人間」の2語からなっており、「人間愛」を起源とする概念だ。具体的には、個人や企業による寄付やボランティアなど、公益性のために自主的に社会課題解決に取り組むことを幅広く指す。最近では特に企業による社会課題解決を指す際に使われることが多く、CSRやCSV、社会貢献活動などがフィランソロピーの一種だと言える。

フィランソロピー概念の変化

企業によるフィランソロピーの中心は従来、寄付を募るチャリティ活動や社員ボランティアなどの社会貢献活動が中心で、対象分野も環境や芸術などが主流だった。

米国では個人財団や企業の財団が社会課題解決のために積極的に資金提供を行っていることもあり、投資による金銭的リターンと社会課題解決を両立するフィランソロピーが世界的に主流になりつつある。また取り組まれる分野も、医療やホームレス支援、就労支援や教育など、幅広い分野に広ががっている状況だ。

フィランソロピーの中でもベンチャーフィランソロピーや社会インパクト投資など、「イノベーション」「数値化された社会的インパクト」「持続性」などのビジネス的な思考が重視され始めている。

企業によるフィランソロピーの事例

近年のフィランソロピーの事例として大きく注目されているのは、世界的IT企業の経営者による取り組みだ。最も有名な例の一つとして、マイクロソフト創設者のビル・ゲイツが挙げられる。ビル&メリンダゲイツ財団は、国際開発や保健を通した社会格差の解消を目指しており、2017年度は5億円以上の助成を行っている。

またfacebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグも、将来的に自身が保有するfacebook社の株式の99%を慈善事業に寄付する計画を明らかにしている。楽天の三木谷社長らも、2015年にiPS細胞研究を支援する「iPS細胞研究基金」に計5億円の寄付を行った。

経営者個人だけでなく、企業による取り組みも様々な形で進んでいる。日本のフィランソロピーを推進する日本フィランソロピー協会は、毎年「企業フィランソロピー大賞」を開催しており、国内の優れたフィランソロピーを取り上げている。同賞では、自社のビジネス上の強みを社会課題解決に活用している取り組みを表彰しており、海外の難民・避難民に視力検査と眼鏡を提供する眼鏡会社や、防災の劇やワークショップを開催する損害保険会社などの取り組みが取り上げられている。

日本国内でも多分野で、企業によるフィランソロピーが進みつつある現状だ。近年、消費者が企業の社会的な活動を評価するトレンドが大きくなりつつある。企業として消費者のニーズに合ったサービスを提供するだけでなく、自社の価値観の表明や、それを裏付けるための社会課題解決への取り組みが今後も広まっていくだろう。

【参照サイト】フィランソロピー概念の考察―西欧におけるフィランソロピー研究のシステマティック・レビューと日本のフィランソロピー研究の発展に向けて―
【参照サイト】企業フィランソロピー大賞
【参照サイト】Bill & Melinda Gates Foundation 2017
【参照サイト】楽天・三木谷社長らがiPS細胞研究に寄付 計5億円




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