Bean to Bar

Bean to Bar（ビーン・トゥ・バー）とは

Bean to Bar（ビーン・トゥ・バー）とは、カカオの購買から商品化までを一貫してチョコレートの製造を行うことをいう。安価で大量生産されていたチョコレートの製造を見直し、下記の製造工程を自社で行う。産地ごとに異なるカカオ豆を使用し、さらにオリジナルの製法で販売することにより、他社と差別化されたおいしいチョコレートを生み出すことができる。

1. カカオ豆の入手


Bean to Barと近い概念を持つキーワードとして、原産地農家が持続可能に継続できるように仲介者と公正な取引をするという意味の「フェアトレード（公正な取引）」があるが、Bean to Barでは良質なカカオ豆を求めて生産者と直接取引をすることが多い。これにより、生産者の顔が見える透明性が確保される。


2. カカオ豆の焙煎


カカオ豆本来の風味を引き出すため、長時間低温でローストする。


3. カカオ豆の皮と実の選別


焙煎の終わったカカオ豆を砕き、皮と実（カカオニブ）を分離する。


4. チョコレートとしてペースト化


カカオニブと砂糖を挽いてチョコレートの味を決定する。


5. 熟成


ペーストとなったチョコレートをブロック状に成形し、寝かせる。


6. 加熱と冷却


パキッと割れる感触を生み出すため、加熱と冷却を繰り返すことでカカオバターを結晶化させる。


7. 裁断とラッピング


商品にするため、チョコレートを裁断し、ラッピングまで行う。


8. 販売


ようやく手元に届く状態になる。

Bean to Barとして有名な企業

以下の会社が特に有名な会社だ。ぜひお手に取って味を比較してみてはいかがだろうか。

Bean to Barの将来

近年、Bean to Barで作られたチョコレートは高級感があり、良質であるとして「かっこいい」「おしゃれ」というイメージがついている。農家が搾取され、安価に作られたチョコレートを選ぶのではなく、Bean to Barのチョコレートを買うことがステータスとなることが予想される。この概念が派生すれば、コーヒーや衣服に関わる一次産業の労働者も救われる可能性が広がる。

また、Farm to Bar（ファーム・トゥー・バー）というキーワードも出てきている。Bean to Barはカカオの購買から始まるが、Farm to Barはカカオの栽培から始まる。カカオ農家の支援や安全に農業ができるような環境づくりにも関わるこの概念の広がりは、今後も期待できそうだ。

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