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サステナブル・シーフードとは・意味

サステナブル・シーフードとは?

持続可能な漁業・水産業で獲られた、もしくは適切に管理された養殖業で育てられたシーフードのこと。具体的には、乱獲や違法な漁業とされるIUU漁業が行われていないことが認証マークなどで証明できるシーフードを指す。

サステナブル・シーフードには「天然」と「養殖」の2種類があり、それぞれに認証マークがある。

一つは、海のエコラベルとして知られる「MSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)」の青いマーク。これは、水産資源と環境に配慮して獲られた天然の水産物に付けられるものだ。

そしてもう一つは、環境と社会への影響を最小限にして育てられた養殖の水産物の証である「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」の水色のマークだ。

サステナブル・シーフードの背景

サステナブル・シーフードが認証されるようになった背景には、世界人口が増加し続ける中、魚介類の乱獲が蔓延し、水産物の持続可能性が危ぶまれるようになってきたからである。特定の魚種が減少すると、海の生態系全体が崩れてしまうため、適切な漁獲量を定め、漁業者がそれを守ることが必要だ。

また、前述のIUU漁業には、漁獲量の虚偽の報告や、認定を受けていない漁船での漁業、そして強制労働、児童労働なども含まれる。

これらの可能性を排除し、市場から締め出していくための法整備や国際協力が、今世界中で進められている。その中のひとつが、水産物をIUU漁業由来ではない安全なものと証明し、消費者に積極的に選んでもらうようにするための認証がMSCおよびASC認証である。

サステナブル・シーフードの条件

MSC、ASC認証では、認定の条件をそれぞれ以下のように定めている。

MSC認証

MSC認証では、以下の3原則の下にある28の業績評価指標に照らし合わせて審査が行われる。

  1. 資源の持続可能性
    過剰な漁獲を行わず資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。
  2. 漁業が生態系に与える影響
    漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。
  3. 漁業の管理システム
    原則1、2を満たすための地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。

ASC認証

ASC認証では、以下の7原則に沿って審査が行われる。

  1. 国および地域の法律および規制への準拠
  2. 自然生息地、地域の生物多様性および生態系の保全
  3. 野生個体群の多様性の維持
  4. 水資源および水質の保全
  5. 飼料およびその他の資源の責任ある利用
  6. 適切な魚病管理、抗生物質や化学物質の管理と責任ある使用
  7. 地域社会に対する責任と適切な労働環境

日本のスーパーはどれくらいサステナブル?

では、日本のスーパーマーケットはサステナブルなのだろうか。2018年3月末、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが「お魚スーパーマーケットランキング7」を発表した。本調査は、国内大手スーパーマーケット15社を対象に、持続可能性と社会的責任に関する魚介類の調達方法があるかどうか、トレーサビリティがあるか、さらには労働者の権利が守られているか、という調査に対しての回答をもとに作成されたもので、1位にはイオンが輝いている。

調査結果を見ると、イオン、イトーヨーカドー、コープデリの3社が魚介類の調達の柱となる調達方針を公開していることがわかる。しかし、どの企業も絶滅危惧種のウナギとマグロ計7種のうち数種類を完全に調達しない、と定めてはおらず、洋上転載に由来する魚介類を扱わない、という決まりを設けている企業もない。

2017年度の調査から、新たに調達方針を策定・導入する企業はなく、全体的に大きな進展は見られない。スーパーマーケットにおけるサステナブル・シーフードの取り組みは、まだまだ改善の必要がありそうだ。

企業のサステナブル・シーフード導入事例

一方で、サステナブル・シーフードに積極的な企業もある。パナソニック株式会社が、2018年3月から、MSCおよびASC認証を取得したサステナブル・シーフードを社員食堂に導入した。大阪府門真市にある本社を含む2拠点での導入となり、企業が社員食堂で継続的にMSC、ASC認証された食事を提供するのは日本初である。

まずは本社で月1回提供することから始まるが、順次頻度・導入拠点を増やし、2020年には国内の全ての社員食堂での導入を目指すようだ。企業が率先して社員へのサステナブル・シーフードの理解を促し、そして消費行動の変革を起こすことが、日本においてのサステナブル・シーフード普及の一歩となりそうである。

まとめ

日々の食卓にシーフードが欠かせない人も多いだろう。伝統的に魚介類の消費量が多い日本はアメリカに次いで世界第2位の水産物輸入国であり、輸入している水産物を中心としたIUU漁業のリスクは世界でワースト12位と非常に高い。このため、私たちは消費者として、日々の買い物の中で、なるべく前述の認証マークがついたサステナブル・シーフードを積極的に購入していくことが必要だ。

スーパーマーケットに並ぶ魚を選ぶときに「この魚は持続可能だろうか?」と一度立ち止まって考え、水産資源の持続可能性を守っていきたい。

【関連記事】IUU漁業とは・意味
【参照・画像引用】サステナブル・シーフード
【参照サイト】『お魚スーパーマーケットランキング7』発表 ーー個別の取り組みは進展も、絶滅危惧種は販売継続。 揺らぐ持続可能性の定義
【参照サイト】サステナブル・シーフードを社員食堂に日本で初めて継続的に導入




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