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グラフィティ・アートとは・意味

グラフィティ・アートとは?

グラフィティ(Graffiti:英語では落書きの意)は、主にスプレーを用いて、電車の車両や高架下の壁など、公共の場に描かれる文字および絵のこと。「ストリートアート」とも呼ばれ、その場の所有者や管理者の許可を得ずゲリラ的に描かれることが特徴だ。一部マニアのあいだでは、描きにくい場所に描かれたものほど高く評価される傾向があるという。

グラフィティアートの始まりは1960年代末~1970年代、米ニューヨークの街の壁や地下鉄などにスプレーやフエルトペンによる落書きが見られるようになったことだと言われている。中には差別問題など社会的なメッセージ性の強いものもあった。

これを芸術だと解釈する人は「グラフィティ・アート」と呼び、悪質ないたずらと解釈する人は「落書き」と呼ぶ。ストリートに生きるやんちゃな人たちが描くアウトローなアートである。

シンプルな人型デザインでお馴染みのキース・へリングや、ジャン=ミシェル・バスキアもグラフィティ・アート出身だ。

基本的には違法。リスクの大きいアート


所有者の許可を得ることなく壁に描くことはもちろん犯罪行為であり、警察に見つかれば器物損壊の罪に問われる。

グラフィティ・アートがたくさんある場所は景観が悪く、治安も悪そうに見えるといった理由から一般的な心証も良くない。また、アートと呼ぶにはあまりにもいい加減な殴り書きに過ぎないものも多く、その芸術的価値も人によって微妙なところである。

ストリートから生まれるスター

基本的に白い目で見られるグラフィティ・アートだが、稀に絶大な人気と市民権を獲得するアーティストが出現する。先述したキース・へリングらのほかに、近年有名になったのはロンドンに出現した覆面アーティストのバンクシー(Banksy)だ。

皮肉や社会風刺を織り交ぜた彼のハイレベルなアートは次第に人気を博し、ブラッド・ピットも高額で作品を購入。バンクシーに描かれるとそのモノの価値が上がることから、バンクシーは罪に問われることない。むしろ彼が描いた場所は大切に保存されたり、「ぜひバンクシーに描いてほしい」と言われたり、グラフィティ・アーティストとしては異例の好待遇を受けている。

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法とは?投げかけられる問い

今日のバンクシーの人気は、法の絶対性に関する疑問を私たちに投げかける。許可なく描いているものはすべて一律で「違法」なのか、それとも誰が描くかによって判断が変わるのか。

また所有権についても議論が巻き起こる。人気アーティストが描いた壁に高額の値段がついた場合、評価されたのはあくまでそこに描かれた絵なのに、壁の所有者がそのお金を全部手にするのだろうか。違法だと取り締まりながら、ひとたび人気が出ればそれに乗っかる。そんな都合の良さを横目に見ながら、今日もグラフィティ・アートはひっそりと増え続ける。

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