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ガイア理論とは・意味

自然

ガイア理論とは

地球と生物が相互に影響しあうことで、地球がまるでひとつの生き物のように、自己調節システムを備えるとする理論。1960年代に、イギリスの生態学者であるジェームズ・ラブロック氏が提唱した。生物は地球環境に適応するだけでなく、環境に働きかけて変化させるという説が、当時としては新しかった。「ガイア」という名前は、ギリシャ神話に登場する大地の女神にちなんでつけられた。

地球の自己調節システムとは、人が汗をかいて体温を調節したり、発熱して病原体の力を弱めたりするように、地球自体が環境を一定に保つためのコントロールをする仕組みのこと。地球がこの仕組みを備えているという仮説から、以下のような主張を導く人もいる。

  • 科学技術の力で地球環境に人為的に介入するよりも、地球という大きな生命の流れを読み取るべきだ。
  • 環境破壊を引き起こしている人間は、地球から有害とみなされ、地球の自己調節システムが作動することで滅んでしまうかもしれない。

人間が脅かしているのは、地球ではなく人間の文明

ガイア理論に基づき、地球と私たち人間が相互に作用した結果、何が起こるのか。ラブロック氏は「人間は地球にとって大きな脅威とならず、地球は存続する。人間の引き起こした地球温暖化が脅威を与えているのは私たち自身の文明、そして私たちと相互関係にある動物や植物に対してである」という見解を示している。

また同氏は「環境破壊という過ちを、人間は正すことができるのか」という問いに対して「ほぼ無理だと思う。地球温暖化による最初の深刻な大災害が起きるまで、私たちは何の対策も行わなかった。人間の文明は失われるだろう。しかし地球と、動物としての私たち人間は生き残る」とおおむね悲観的な見方だ。

地球からの大きな揺り戻しが起こる前に、私たちは何をするべきか。ひとつの答えは、人間が今まで無視してきた他の生命体とコミュニケーションをとることだろう。たとえば海洋汚染を引き起こせば、海の生き物が悲鳴を上げる。その「声」を聴くために、科学技術の力を借りることもあるだろう。

ラブロック氏は人間を「知恵を持った狼のようなもの」と評する。その知恵を、人間を中心とした発想から離れるために使う時が来ている。

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