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ESG投資とは・意味

ESG投資

ESG投資とは?

ESG投資は、環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)の3つの要素を十分考慮している企業への投資を指す。非財務指標である環境、社会、企業統治に重きを置いて経営されている企業は社会的意義があり、長期的な安定と成長が見込める傾向があるため、10年以上のスパンで高いリターンを狙うことができる。そのため、短期的な利益を狙いにいくよりも確実だとして、欧米を中心に広く浸透している。

それぞれの要素が具体的に何を指すのかを見ていこう。

  • 環境(E):CO2排出による気候変動や、工場の廃水による水質汚染などの環境問題への対策。再生可能エネルギーの使用、生物多様性の確保など
  • 社会(S):適正な労働条件や、男女平等といった職場の人権対策。事業を通じた地域社会への貢献など
  • 企業統治(G):業績悪化に直結する不祥事を回避し、リスク管理をするための情報公開や法令遵守など

「環境や社会に配慮した投資」という意味で、ESG投資はSRI(社会的責任投資)と同等に扱われがちだが、ESG投資とSRIとの違いは、SRIが明確に「環境・社会・企業統治」への投資を指していないことにある。SRIとは、各時代における社会から企業に向けた期待を、投資行動に反映させたものだ。たとえば1920年代のアメリカにおけるSRIは、キリスト教の持つ倫理観から、武器やたばこ、ギャンブルなどに関わる企業へ投資しないことだった。

社会が企業に求める内容は、時代とともに変わっていく。現在はその関心が、「環境・社会・企業統治」に向けられているため、ESG投資という言葉が使われるようになったのだ。

より良い投資、日本そして世界で一般化

ESG評価が高い企業に投資することをポジティブ・スクリーニングと言う。たとえば、省エネや再生可能エネルギーに注力している企業に投資するというものだ。反対に、汚水を河川に垂れ流すといった環境破壊を行う企業への投資をしないことをネガティブ・スクリーニングと言う。上述したSRIのはじまりは、まさにネガティブ・スクリーニングであった。

2006年には、国連が投資プロセスにESG投資を組み入れる「責任投資原則(PRI)」を提唱し、認知度が高まった。ESG投資は、より正確な投資判断を行う上でますます、重要視されてきており、現時点で世界の投資全体の約4分の1に相当する約23兆米ドルがESG投資にあたる。日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、ESG投資を行っている。

この傾向は、企業が投資を受けるために、ESGの項目の改善努力を行うことにつながる。財務数値にばかり企業の気が向くと、短期的な収益のための自然破壊や、労働者の人権蹂躙といった不健全な行動に経営陣を突き動かすリスクにもなりえる。これらは、従来の資本主義に存在する限界だ。

ESG投資は、よりよい企業、社会につながる投資といえ、これを受けることは企業が持続するために必要不可欠なものになりつつある。

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